1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09239101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉藤 正明 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90011676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 茂 東京都立大学, 理学部, 教授 (30134901)
川島 隆幸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80011766)
関口 章 筑波大学, 化学系, 教授 (90143164)
安藤 亘 筑波大学, 化学系, 教授 (30008429)
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Keywords | ヘテロ元素 / 多重結合 / インターエレメント不飽和結合 / 小員環化合物 / リン / ケイ素 / ゲルマニウム / 理論計算 |
Research Abstract |
インターエレメント不飽和結合および関連の小員環化合物の構造、物性、反応性の研究、およびその理論的解明のために、次の5研究テーマを計画研究とした。 1. リン原子を含む不飽和結合化合物の構造、物性、反応性の研究:チオキソホスフィン、ジセレノキソホスホランなどの安定化のために、立体的に嵩高く、かつ分子内に電子的効果が期待できるようなアミノ基やアルコキシ基、チオエーテル基などをもつ置換基を合成し、P=SやP=Se基がアミノ基により、強い安定化効果を受けることを見いだした。 2. 不飽和結合を有する小員環ケイ素化合物の合成と反応の研究:ビスシラシクロプロパンおよびビスシラシクロプロペンの生成とその挙動について検討した結果、フェニル基置換の化合物の合成に成功し、構造とその反応性を明らかにした。 3. 芳香族性高周期14族元素化合物の合成研究:トリゲルマシクロプロパンを前駆体とし、ゲルマニウム原子のみから成る3員環2π電子系化合物、トリゲルマシクロプロペニウムイオンの合成、構造解析に成功した。 4. 高配位典型元素小員環化合物の有する特異なインターエレメント結合の研究:5配位3-フェニル-1,2-オキサチエタンを相当する4配位化合物のmCPBA酸化で合成した。この化合物は、その熱分解反応では全くオレフィンを与えず、オキシランをほぼ定量的に与えることが分った。 5. インターエレメント結合の特性の理論的研究:ケイ素-ケイ素間の三重結合の本性を理論的観点から解明し、安定なケイ素三重結合化合物合成のための置換基の電子効果と立体効果の役割を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Yoshifuji: "Oxidation of 1,2-Diphenyl-3,4-diphosphinidenecyclobutene on the Group-6 Metal Tetracarbonyl Complexes." Tetrahedron Lett.38. 1585-1588 (1997)
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[Publications] S.Ito: "Formation of 5,7-di-tert-butyl-1,1-dimethyl-4-phospha-1,2-dihydronaphthalene by the reaction of 2,2-dibromo-1-(2,4,6-tri-tert-butylphenyl)-1-phosphaethene with butyllithium." J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1637-1638 (1997)
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[Publications] W.Ando: "Synthesis and Characterization of Bissilacyclopropanes Bissilacyclopropenes." J.Am.Chem.Soc.119. 3629-3630 (1997)
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[Publications] A.Sekiguchi: "A Free Cyclotrigermenium Cation with a 2π-Electron System." Science. 275. 60-61 (1997)
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[Publications] T.Kawashima: "Synthesis and Thermolysis of Hexacoordinate 1,2-Oxaphosphetanides." Tetrahedron Lett.38. 551-554 (1997)
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[Publications] N.Tokitoh: "Synthesis and Characterization of a Stable Dibismuthene:Evidence for a Bi-Bi Double Bond." Science. 277. 78-80 (1997)