1997 Fiscal Year Annual Research Report
インターエレメント化合物によるフラーレンの分子変換とその機能
Project/Area Number |
09239217
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤坂 健 新潟大学, 自然科学研究科, 教授 (60089810)
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Keywords | フラーレン / 有機ケイ素化合物 / ポリシラン |
Research Abstract |
フラーレン類の光シリル化反応の開発:本年度は,フラーレン類のジシラン、トリシラン等のシクロポリシランやポリシラン類との光誘起電子移動を経由する光シリル化反応を検討した。即ち、有機化学的アプローチから光誘起電子移動反応によるジシランのラジカルカチオン種とフラーレンアニオンラジカル種の反応を行なった。ポリシラン類のケイ素-ケイ素単結合は、そのイオン化ポテンシャルの低さから明らかなように、非常に高い電子供与能を有し活性な炭素-炭素二重結合のそれに匹敵する。これらはテトラシアノエチレン等の電子受容体と容易に電荷移動(CT)錯体を形成することから、フラーレン類の場合もその酸化還元電位やイオン化ポテンシャル等の物性値から判断して、容易にCT錯体を形成することを予想した。即ち、シクロポリシランとの光誘起電子移動反応によりケイ素-ケイ素単結合ユニットにより連結されたフラーレンの合成を試みた。電子供与基であるSi-Siユニットと電子受容体であるフラーレンユニットを有するポリマーは導電性材料や電子伝達系への応用が確信される。特に、電子供与能の高いSi-Si結合を有するジシラシクロプロパンやポリシランをターゲット分子として用いる光反応を試み、フラーレンの付加体を得た。現在、得られた付加体の物性について検討している。
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