1997 Fiscal Year Annual Research Report
主鎖・側鎖にヘテロ元素を有する非炭素骨格高分子の電子物質
Project/Area Number |
09239230
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 修平 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30273709)
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50210729)
山本 幸男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10029902)
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Keywords | ポリシラン / ヘテロ元素 / ピロール / エキサイプレックス / パルスラジオリシス / ラジカルカチオン / ラジカルアニオン / 過渡吸収 |
Research Abstract |
窒素-ケイ素結合を有するポリシランを合成し、以下に示す解析を行った。(表参照)合成したモノマーは、1H-NMR、GC-MSを用いて同定し、ポリマーの分子量をGPCを用いて定量した。UV-vis吸収スペクトル、電子線パルスラジリシス法による過渡吸収スペクトル、および蛍光スペクトル測定により高分子主鎖電子構造について調べ、正孔輸送特性の評価を行った。主鎖上電子は従来のポリシラン材料と比較し、局在傾向を示すものの、可視光曝露に対しキャリアを生成する事が明らかとなった。 n-ブチルリチウムとピエールから調製したN-ピロリルリチウムと各種クロロシランを反応させることによりジクロロシランを得、これらをモノマーとし、Wultz脱塩重合法を用いて高分子を得た。最も簡単な構造を有するメチルピロリルシランの基礎吸収スペクトルは、310nm付近にs共役系による吸収極大を持ち、その吸収波長は通常のポリシランと比較するとかなり短波長シフトしている。従ってこれらポリシランのバンドギャップは比較的大きいと考えられる。 かかる知見により、パルスラジオリシス法を用いてポリマーのラジカンカチオンおよびアニオンの過渡吸収スペクトルの測定を行った。一般的なアルキルおよびアリールポリシランは2、00nm付近の赤外領域にアニオン・カチオンラジカル吸収を示すが、ピロリルポリシランの場合、それよりも短波長側に存在している。即ちピロリルポリシラの主鎖骨格上の電荷、特に電子は、通常のポリシランよりも局在化の度合いが高いと推測される。また興味深いことに、主鎖シリコンに直接窒素が結合しているにもかかわらず、ポリマーのラジカルカチオンは安定に存在することが確認された。
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[Publications] S.Seki et al.: "Radical Stability of Aryl Substituted Polysilanes with Linear and Planar Silicon Skeleton Structures" J.Phys.Chem.
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[Publications] S.Seki et al.: "LET Effects of Ion Beam Irradiation on Poly(di-n-hexylsilane)" Radiat.Phys.Chem.50. 423-427 (1997)
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[Publications] S.Seki et al.: "Positive-Neagative Inversion of Silicon Based Resist materials:Poly(di-n-hexylsilane)for Ion Beam Irradiation" Jpn.J.Appl.Phys.36. 5361-5364 (1997)
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[Publications] S.Seki et al.: "Radiation Effects on Hole Drift Mobility in Polysilanes." Radiat.Phys.Chem.49. 389-393 (1997)