1997 Fiscal Year Annual Research Report
セレン-金属結合の特性を生かした新規合成反応の開拓
Project/Area Number |
09239250
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
西山 豊 関西大学, 工学部, 助教授 (30180665)
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Keywords | セレン / 金属 / スズ / アルミニウム / エポキシド / アルキン |
Research Abstract |
第16族に属するセレンは種々の原子価状態を取り、また、セレン原子を分子内に有するフェニルセレノ(PhSe)基はそのα-位のアニオン、カチオンいずれも安定化するなどの特性を有している。それらのセレン化合物の特性と他の金属化合物の特性を合わせ持つ化合物を合成し、それら二つの特性を効率良く利用できれば、今までとは異なった新しいタイプの反応が開発できるものと期待される。そこで種々のセレン-メタル結合を有する化合物を合成し、それら化合物と種々の有機化合物の反応を検討することでそれら化合物特有の反応を見いだすことを目的とし研究を行った。 その結果、セレン-金属結合として、セレン-スズ結合を有するトリブチルスタニルフェニールセレノレート(PhSeSnBu_3)を用いルイス酸存在下エポキシドとの反応を行ったところ、高収率かつ高い位置選択的でエポキシドの開環反応が進行し、β-ヒドロキシフェニールセレニドの効率良い合成法となりえることを見い出した。特に従来の有機セレン試剤では高い位置選択性で反応を進行させることが困難とされるスチレンオキシドを用いた際にも高い位置選択性で反応は進行する。一方セレン-金属結合として、セレン-アルミニウム結合を有するPhSeAlBu_2^iを用いた反応では、アルキンの炭素-炭素三重結合に対しPhSeAlBu_2^iが無触媒条件下で付加反応を起こし、さらに連続して種々の反応剤を加えることで種々の官能基を有するビニルセレニドが得られることから、本反応がビニルセレニドの新規合成法として利用可能であることを見い出した。
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