1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09240104
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
古川 清 財団法人 東京都老人総合研究所, 生体情報部門, 室長 (10190133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 大三 山口大学, 農学部, 教授 (30091185)
畑中 研一 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (70167584)
大平 敦彦 愛知コロニー発達障害研究所, 周期学, 部長 (20101074)
鈴木 康夫 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (00046278)
山形 達也 (財)日本皮革研究所, 糖鎖情報工学部門, 部門長 (10251654)
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Keywords | β-1,4-ガラクトース転移酵素 / 腫瘍の転移性 / ガングリオシド / 糖鎖病理学 / 神経回路網形成 / 硫酸化多糖 / 分子モデリング / 植物生体防御 |
Research Abstract |
1) 個体発生における糖タンパク質糖鎖の機能解析(古川担当):β-1,4-ガラクトース転移酵素(β-1,4-GalT)遺伝子を破壊したマウスの解析から、新奇β-1,4-GalTはマウス脳の発達過程で神経細胞の移動や接着に関与する重要な糖鎖抗原の合成に関与していることを明らかにした。 2) ガングリオシドによるインテグリン-細胞外マトリックス相互作用の制御機構(山形担当):マウス骨肉腫FBJ細胞の運動性、ビトロネクチンへの接着、転移性が、細胞表面のインテグリンαvβ3を介して、ガングリオシドGDlaで制御されていることを明らかにした。 3) 微生物感染および細胞接着の糖鎖病理学的研究(鈴木担当):インフルエンザウイルスの宿主域は、抗体による圧力、宿主の受容体シアロ糖鎖による選択により変化する。ヒト、トリ、ブタにおけるインフルエンザウイルスの受容体認識機構を解析し、ブタがヒトおよびトリインフルエンザウイルスの中間宿主であることを分子生物学的に明らかにした。 4) 神経回路網形成期の脳に存在するプロテオグリカン群(NGC)の生理機能の解析(大平担当):NGCはマウス小脳の発達に伴いコンドロイチン硫酸(CS)側鎖を持たない分子型に移行すること、またCSは神経突起伸長の速度や方向を制御しうることを明らかにした。 5) 増殖因子を活性化する酸性多糖の構造と機能(畑中担当):硫酸化コロミン酸は硫酸基の導入率を高くしても細胞毒性を示さないことを見いだした。コロミン酸の硫酸基の一部をカルボキシル基で置換して、これを用いて細胞毒性の低い増殖因子(FGF)活性化システムを構築できることを明らかにした。 6) 植物生体防御におけるキチナーゼ誘導とキチン・キトサンの糖鎖組成(古賀担当):病原菌の感染に強い抵抗性を示す細胞で誘導されるキチナーゼは、キチンを加水分解するよりキチンに対する結合力が強いことを見いだした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.Kido,et al.(5): "Presence of polysialic acid and HNK-1 carbohydrate on brain glycoproteins from β-1,4-galactosyltransferase-knockout mice" Biochem.Biophys. Res.Commun.245. 860-864 (1998)
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[Publications] H.Nakajima,et al.(2): "Glycosylation of amphipathic lactoside primers with consequent inhibition of endogenous glysosphingolipid synthesis" J.Biochem.124. 148-156 (1998)
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[Publications] K.Sato,et al.(4): "Specificityof N1 and N2 salidase subtypes of human influenza A virus for natural andsynthetic gangliosides" Glycobiology. 8(6). 527-532 (1998)
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[Publications] Y.Yasuda,et al.(6): "Cloning and chromosomal mapping of the human gene of neuroglycan C(NGC),a neural transmembrane chondroitin sulfate proteoglycan with an EGF module" Neuroscience Research. 32. 313-322 (1998)
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[Publications] N.Ota,& K.Hatanaka: "Clarification of the transfer reaction in the synthesis of manno-oligosaccharide" Macromolecules. 31. 2123-2128 (1998)
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[Publications] D.koga,et al.(2): "HPLC analysis of anomeric formation and cleavage pattern by chitinolytic enzyme" Biosci,Biotechnol.Biochem.62(8). 1643-1646 (1998)
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[Publications] D.Koga: "Advances in Chitin Science(Vol II)" Jacques Andre Publisher(Lyon,France), 962 (1998)
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[Publications] 大平敦彦: "細胞外マトリックス研究法" コラーゲン技術研修会,東京, 163 (1998)