1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09240206
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 弘信 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (10016131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 英哉 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (90261156)
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Keywords | 糖転移酵素 / ガラクトシルトランスフェファーゼ / シアリストランスフェラーゼ / 阻害剤 / 糖供与体トランスポーター / 2基質複合体アナログ |
Research Abstract |
本研究の目的は、糖転移酵素の作用機作を探るべく設計した基質アナログを合成して、それらの糖転移酵素に対する挙動を明かにし、得られた知見をもとに特異的な糖転移酵素阻害剤を創製することにある。具体的には、ガラクトシルトランスフェラーゼ(GalTase)に対し成果の得られた分子設計戦略を適用して、癌化などに関連する糖転移酵素としてよく知られているN-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、シアリルトランスフェラーゼ(STase)などに対する特異的阻害剤の開発を目指して、それらに対する2基質、すなわち糖供与体と糖受容体を結合した複合体アナログを合成する。 本年度は、分子設計の普遍性に関する知見を得るため、GalTaseに対する糖供与体と糖受容体を結合するリンカーの位置の異なる新たな基質複合体アナログ2種の合成を完成した。一方、STaseに対する2基質複合体アナログの設計するためには、その糖供与体のリン酸エステル部分に対する基質認識に関する情報が不可欠である。そこで、ホスホン酸構造を有するCMP-シアル酸のアナログを設計した。新たに、すでに開発済みの手法を用いてシアリルメチルホスホナ-ト型アナログのα-アノマーを、相当するシアル酸のC-アリルグリコシドを出発物質として合成した。シアリルホスホナ-ト型アナログをも合わせて、STaseおよびCMP-シアル酸のトランスポーターに対する挙動を明らかにした。シアリルホスホナ-ト型アナログは、糖供与体となることが、またシアリルメチルホスホナ-ト型アナログはCMP-NeuNAcトランスポーターに対して強い阻害作用を示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Izumi: "Synthesis of 5-Thio-L-fucose-Containing Disaccharides,as Sequence-Specific Inhibitors,and 2´-Fucosyllactose,as a Substrate of α-L-Fucosidases." J.Org.Chem.62. 992-998 (1997)
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[Publications] H.Hashimoto: "Synthesis of the First Tricomponent Bisubstrate Analogue That Exhibits Potent Inhibition against GlcNAc:β-1,4-Galactosyltransferase." J.Org.Chem.62. 1914-1915 (1997)
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[Publications] H.Yuasa: "Relative nucleophilicity of the two sulfur atoms in 1,5-dithioglucopyranoside." Angew.Chem.Int.Ed.Engl.36. 868-870 (1997)
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[Publications] O.Tsuruta: "UDP-N-acetyl-5-thio-galactosamine is a substrate of lactose synthase." Bioorg.Med.Chem.Lett.7. 2523-2526 (1997)
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[Publications] 橋本弘信: "糖転移酵素反応の遷移状態アナログへのアプローチ:β-1,4-ガラクトース転移酵素の選択的阻害剤のデザインと合成" 有機合成化学協会誌. 55. 325-333 (1997)
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[Publications] K.Hatanaka: "New Polymeric Inhibitor of Galactosyl Transferase." J.Carbohydr.Chem.16. 667-672 (1997)