1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09241101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大津 元一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70114858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 収 大阪大学, 工学部, 助教授 (90192674)
楠見 明弘 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50169992)
片岡 俊彦 大阪大学, 工学部, 教授 (50029328)
腰原 伸也 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10192056)
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Keywords | 近接場 / ファイバ / プローブ / 相転移 / 微小共振器 / 顕微鏡 / 蛍光 / 退色 |
Research Abstract |
大津は近接場光学において必須の素子であるファイバプローブの高分解能、高効率を合わせ持つ3段階テ-パプローブを開発し、数nmの分解能、1%以上の高効率を実現した。また、平面開口2次元プローブアレイを開発し、光記録への応用可能性を示した。 腰原はナノメータ光学測定に適したポリシランの探索開発と、原子間力顕微鏡と近接場光学顕微鏡での観測を試み、単分子像を得た。また光誘起磁気転移が期待される半導体、有機金属錯体試料を用いて、光誘起相転移の動的過程の研究、顕微鏡による相転移ダイナミクスの直接観測を行った。 片岡はナノメータ以下の高空間分解能をめざして、微小共振器プローブを開発した。表面に酸化チタン粒子の極微小突起(300nm程度)を持つ直径5ミクロンのプローブを試作し、極微小突起からの散乱光だけを用いた試料測定とプローブの性能評価を行った。また、プローブの設計・製作法の有力手段として共振球サイズを加熱により調整する方法を見出した。 楠見は近接場光学顕微鏡を倒立蛍光ノマルスキー顕微鏡上に構築した。これにより、蛍光やノマルスキー顕微鏡法を用いて、試料のなかで見たい部位を見つけ、次にその部位を近接場光学顕微鏡でさらに数倍拡大して、高分解能で観察する、という手順での観察ができるようになった。これを用いて、水中で固定細胞を観察した。 中村は金属プローブを用いる近接場光学顕微鏡において、蛍光の消光現象が生じる試料・プローブ間距離、蛍光退色の度合い、先端径と電場増強効果、および消光の関係、およびそれらの再現性を横方向50nm、縦方向0.75nmの空間分解能で実験的に調べた。 以上のメンバーは個々の研究と同時に相互情報交換し、当初の研究目的に向かって、順調に成果をあげることができた。
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[Publications] T.Yatsui, M.Kourogi, and M.Ohtsu: "Highly efficient excitation of optical near-field on an apertured fiber probe with an asymmetric structure" Appl. Phys. Lett.vol.71,, no.13. 1756-1758 (1997)
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[Publications] K.Ebihara, S.Koshihara, M.Yoshomoto, T.Maeda, T.Ohnishi, H.Koinuma, and M.Fujiki: "Direct obeservation of Helical Polysilane Nanostructures by Atomic Force Microscopy" Jpn. J. Appl. Phys.Vol.36, no.9A. L1211-L1213 (1997)
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[Publications] T.Kataoka, K.Endo, M.Ashida, H.Orita, Y.Oshikane, H.Inoue, and Y.Mori: "Growth of crystalline silicon on a cryogenic substrate by photochemical reaction in a condensed phase" Jpn. J. Appl. Phys.vol.36, no.12A. 7395-7398 (1997)
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[Publications] Y.Sako, A.Sekihara, Y.Yanagisawa, M.Yamamoto, Y.Shimada, K.Ozaki, and A.Kusumi: "Comparison of two-photon excitation loaser scanning fluorescence microscopy with UV-confocal laser scanning fluorescence microscopy" J. Microscopy. vol.185. 9-20 (1997)
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[Publications] T.Sugiura, T.Okada, Y.Inoue, O.Nakamura, and S.Kawata: "Gold-bead scanning near-field optical microscope with laser-force position control" Opt. Lett.vol.22. 1663-1665 (1997)
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[Publications] 大津元一、 河田 聡: "近接場ナノフォトニクスハンドブック" オプトロニクス社, 270 (1997)
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[Publications] S. Koshihara: "Relaxation of excited states and photoinduced structural phase transition" Springer Verlag, 200 (1997)