1997 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト型希土類アルミネートにおける相変態の制御
Project/Area Number |
09242208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀内 弘之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80029892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 統悦 東北大学, 金属材料研究所, 講師 (50125580)
小澤 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (00011651)
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Keywords | 希土類アルミネート / 相転移の制御 / イオン置換 / ランタンド収縮 / ペロブスカイト / 固溶体 / 基板素材 |
Research Abstract |
ペロブスカイト型の構造をとるRA1O_3(R:希土類元素,La〜Lu)は,R^<3+>イオン半径,温度,圧力などによって原子位置が微妙に変位し,相変態に似た構造変化を示す。これらは,その現象自体においても興味深い研究対象であるが,酸化物超伝導体などペロブスカイト型構造を基本とする薄膜物質創製の下地としての基板素材としても重要な物質群の1つである。 本研究においては,ペロブスカイト型RA1O_3において,R^<3+>イオン半径の変化に伴う構造変化と温度変化に伴う構造変化には密接な関係があること,R^<3+>イオン半径をわずか0.001A変化させることにより,相転移温度T_cを約35℃変化させることを明らかにした。この結果として,相転移温度を-100℃から1000℃程度の範囲で,任意の温度で斜方晶系から三方晶系に構造変化するペロブスカイト型希土類アルミネート結晶相の創製が可能である。本研究では,この現象を明らかにするために,R^<3+>としてNd^<3+>とSm^<3+>の無秩序構造である固溶体(Nd_x,Sm_<1-x>)A1O_3に着目した。この現象を理解するために次のような解釈ができる。固溶体の構造は,大きさの異なるイオンが無秩序に配置した結晶構造,すなわち,静的な位置の揺らぎをもつ結晶構造である。一方,温度上昇に伴う構造は,格子振動による原子位置の揺らぎをもつ構造である。したがって,時間により揺らいでいる構造の一瞬をみれば,イオンの大小による静的な原子変位をもつ構造とほぼ同等とみなし得るものであると解釈できる。すなわち,それらの位置の揺らぎの振幅を,イオン種の置換によりその大きさを制御することと,温度変化によりその大きさを制御することが,この種の結晶構造変化に対してはほぼ同等の効果を与えるとみなされる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Akihiro Saitow: "Structural Change caused by substitution of Nd for Sm in(Nd,Sm)AlO_3:Application of synchrotron high-resolution powder X-ray diffraction" Journal of Applied Crystallography. 発表予定. (1998)
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[Publications] 宍戸統悦: "胴ハ-ス水平移動式アーク溶融法によるペロブスカイト型CeMO3(M=Al,Ga)の合成、ミクロ組織および結晶構造" 日本セラミックス誌学術論文誌. 発表予定. (1998)