1997 Fiscal Year Annual Research Report
マルテンサイト変態する合金の双晶境界と相変態のメカニズム
Project/Area Number |
09242238
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大庭 卓也 帝京大学, 理工学部, 助教授 (00211110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 真一 帝京大学, 理工学部, 助手 (80217851)
原 徹 帝京大学, 理工学部, 助手 (70238161)
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Keywords | AuCd合金 / フォノン分散関係 / マルテンサイト変態 / ソフニング |
Research Abstract |
マルテンサイト変態のメカニズムに関しては未だ未解決な点がある。双晶とフォノン分散関係については、フォノン分散関係に異常がある物質では、双晶界面が急峻ではないという相変態のランダウ流の取り扱いがある。さらに変態に前駆した状態ですでにいくつかのバリアントになっていた方がエネルギー的に有利であるという報告もなされている。このように双晶形成とマルテンサイト変態には相関がありそうである。本研究ではマルテンサイト変態のメカニズムについて双晶とのかかわりに着目して調べる。 我々はこれまでAuCd合金でζ_2'を生成するマルテンサイトに関して研究を行ってきた。この合金は1:1の組成付近、わずか2%程度の組成の違いで、まったく異なったマルテンサイト相を生成し、変態のメカニズムの研究を行う上で重要なヒントを与えると考えられる。今年度はこのγ_2'マルテンサイトに関しても研究を進めた。まず^<114>Cdアイソトープを用いてγ_2'マルテンサイトを得る組成のAu-47.5at%Cd合金で[ζζ0]TA_2のフォノン分散関係を測定した。γ_2'マルテンサイトではその結晶構造から、ブリルアンゾーン境界でのフォノンのソフニングが期待される。実験の結果、確かにソフニングが起こっている事がわかった。さらに1/3の位置でもソフニングが起こっている事も分かった。また、弾性散乱の測定も行い、その結果[1^^_10]^*の1/2には弾性散乱は現われないが、1/3には現われる事がわかった。さらに、これが時間依存性を示し、次第に強度を増してくる事が明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Ohba,S.Raymond,S.M.Shapiro and K.Otsuka: "Phonon Softening and Time Dependence of Elastic Peak Appearing Prior to the Transformation in Au-47.5at%Cd." Jpn.J.Appl.Phys.37. L64-L66 (1998)
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[Publications] Y.Murakami,Y.Nakajima,K.Otsuka,T.Ohba,R.Matsuo and K.Ohshima: "Characteristics and Mechanism of Martensite Aging Effect in Au-Cd Alloys" Materials Sci.& Eng.A237. 81-101 (1997)
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[Publications] T.Ohba and K.Otsuka: "The martensitic Transformation and Extra Reflections Appearing Prior to The Transformation in AuCd Alloy" Mat.Res.Soc.Symp.Proc.459. 295-303 (1997)
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[Publications] T.Hara,T.Ohba,K.Otsuka and M.Nishida: "Phase Transformation and Crystal Structures of Ti_2Ni_3 Precipitates in Ti-Ni Alloys" Materials Trans.JIM.38. 227-284 (1997)
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[Publications] T.Hara,T.Ohba,E.Okunishi and K.Otsuka: "Structure Study of R-Phase in Ti-50.23at.%Ni and Ti-47.75at.%Ni-1.50at.%Fe Alloys" Materials Trans.JIM.38. 11-17 (1997)