1997 Fiscal Year Annual Research Report
粒界三重点での析出挙動に及ぼす結晶学的要因と相界面の特徴
Project/Area Number |
09242241
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
飴山 惠 立命館大学, 理工学部, 教授 (10184243)
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Keywords | 結晶粒界 / 粒界三重点 / シミュレーション / 異相界面 / 2相ステンレス鋼 / 析出 / 結晶方位 |
Research Abstract |
結晶粒界は第2相の析出や腐食などの諸現象が優先的に起こりうる場所として知られ、中でも結晶粒界の三重点(粒界コーナー、エッジ)はこれらの現象が著しい場所とされているが、これまで粒界三重点での析出現象の結晶学的な観点からのアプローチはほとんど行われていない。本研究では、母相の粒界三重点からの第2相の析出現象を結晶学的な観点、ならびに異相界面構造から明らかにし、粒界に関わる組織形成メカニズムを実験ならびにシミュレーションにより検討した。その結果,以下の成果が得られた。 (1)粒界三重点の析出相の形態と結晶学的特徴 粒界三重点への析出の有無と形態から以下の3種類の組織に分類された。 (1)Type-A:粒界三重点を析出相が占有するもの。(X:19.2%、Y:19.4%) (2)Type-B:粒界面に析出した析出相が三重点を占有するもの。(X:72.5%、Y:74.1%) (3)Type-C:粒界三重点には析出相がないもの。(X:8.3%、Y:6.5%) このような形態の違いは、2相ステンレス鋼におけるType-Aの析出相について結晶学的観点から考察した結果、粒界三重点(線)への析出に際して、析出相は3つの母相粒に対して同時に良好な整合性を満足することが必要なためであると考えられた。 (2)異相界面構造のコンピュータシミュレーション 2次元の泡モデルと同様な3次元での原子マッチングモデルにより異相界面構造の視覚化を試みた。すでに報告されている高分解能TEM観察結果と比較することによりシミュレーションの妥当性について検討した結果、Ti-7mass%Cr合金の高分解能像を良く再現できることが確認されシミュレーションの妥当性が確認できた。
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