1997 Fiscal Year Annual Research Report
炭素材料を用いた新規ホストーゲスト系の開拓と新物性発現
Project/Area Number |
09243209
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
榎 敏明 東京工業大学, 理学部, 教授 (10113424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 章 東京工業大学, 理学部, 助手 (40251607)
佐藤 博彦 東京工業大学, 理学部, 助手 (90262261)
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Keywords | 活性炭素繊維 / ランダム電子系 / 気体吸着 / sp^3 / sp^2混合電子系 / スピングラス / 電気伝導度 / フッ素付加 / 非局在的欠陥 |
Research Abstract |
大きさ20Å程度のマイクログラファイトが乱雑なネットワーク構造を形作る活性炭素繊維(ACF)は極めて多孔質の物質であり、その構造は熱処理を行うことにより規則化する。このようなマイクログラファイトネットワークの電子状態はランダム構造をもつ金属の挙動として、またナノサイズの電子系の問題として興味深い。一方マイクログラファイトネットワークの間にはマイクロポアが存在し、気体吸着の場として、気体分子とマイクログラファイトとの相互作用の観点から興味がもたれる。さらにフッ素はこのようなマイクログラファイト骨格に共有結合により付加することによりフッ素誘起のsp^3欠陥構造を形成し、sp^3/sp^2混合電子系として興味深い問題を提供する。今年度はマイクログラファイトネットワークの電子状態とその熱処理効果、酸素の吸着およびフッ素化による構造、伝導、磁気物性の変化およびその熱処理効果を以下の通り明らかにした。(1)ACFの乱雑構造は熱処理により秩序化し、マイクログラファイトの電子状態にも大きな変化が生じ、構造の秩序化によるキャリアの伝導パス形成のため、熱処理温度1000℃以下では半導体的、1300℃以上では金属的挙動を示すが、半導体から金属に転移する境界領域でスピングラス的な状態の出現を明らかにした。(2)酸素分子の吸着には化学吸着的な強い吸着サイトと物理吸着的な弱い吸着サイトがあり、酸素の化学吸着によりACFの伝導度が大きく変化すること、また化学吸着サイトは1200℃以上の熱処理により消失することがそれぞれ明らかになった。(3)フッ素誘起のsp^3欠陥はマイクログラファイトの共役π電子系に大きな影響を与え、フッ素濃度F/C〜0.5以上では広がったπ電子系が存在しないことが明らかになった。また、sp^3欠陥のもつダングリングボンド状態は非局在的な性格を有することを見出した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Kobayashi et al.: "Magnetic properties of adsorbed oxygen in microporous carbon" Mol.Cryst.Liq.Cryst.306. 103-110 (1997)
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[Publications] Y.Shibayama et al.: "Magnetic Properties of Activated Carbon Fibers and Their Iodine-Doping Effect" Mol.Cryst.Liq.Cryst.(in press). (1998)