1997 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界乾燥を用いたメソポーラスカーボンエアロゲルの創出
Project/Area Number |
09243224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田門 肇 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30111933)
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Keywords | メソポーラスカーボン / エアロゲル / ゾル-ゲル重合 / 超臨界乾燥 / レゾルシノール / ホルムアルデヒド / 細孔構造制御 / 吸着特性 |
Research Abstract |
カーボンエアロゲルは数ナノメータの細孔を持ち,比表面積400-900m^2/g,空隙率80%以上に及ぶことから,吸着剤,クロマト分離剤,ハイブリッドカ-用電気二重層キャパシタとしての用途が期待できる.そこで,本研究では炭酸ナトリウムを触媒,蒸留水を希釈剤として,レゾルシノールとホルムアルデヒドのゾル-ゲル重合によって有機エアロゲルを合成し,炭酸ガスを用いた超臨界乾燥によってRFエアロゲルを作製した.このRFエアロゲルを不活性雰陰気で熱分解し,カーボンエアロゲルを作製した.次に,窒素吸着法によって作製したエアロゲルの細孔特性を評価し,エアロゲルのエタン,エチレン吸着特性を検討した.さらに細孔構造に及ぼすレゾルシノール,触媒,希釈剤量,熱分解温度の影響を検討した.その結果,次の結論が得られた. (1)ゾル-ゲル重合においてレゾルシノール,炭酸ナトリウム,水の組成比を変化させれば,RFエアロゲルのメソ細孔半径を2.5〜9.2nmの範囲で任意に制御できる. (2)熱分解によって若干収縮が生じるもののRFゲルの細孔構造が保持でき,カーボンエアロゲルのメソ細孔半径を2.0〜6.1nmの範囲で制御できる. (3)カーボンエアロゲル作成時の熱分解温度が高くなれば,メソ孔容積は減少するものの細孔径はほとんど変化しない. (4)熱分解温度が高くなればエアロゲルにおけるエタン吸着量はエチレン吸着量よりも大きくなり,両吸着量を比較すれば1000℃での熱分解によってカーボンエアロゲルは活性炭とはぼ同じ表面化学特性を示す.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hajime Tamon, Hajime Ishizuka, Takuji Araki, Morio Okazaki: "Control of Mesoporous Structure of Organic and Carbon Aerogels" Carbon. (in press). (1998)