1997 Fiscal Year Annual Research Report
C/C複合材料の界面アロイ構造の制御による破壊機構の変化と最適化
Project/Area Number |
09243225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北條 正樹 京都大学, 工学部, 助教授 (70252492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 忠信 京都大学, 科学技術庁・金属材料技術研究所, 研究員
澤田 吉裕 京都大学, 工業技術院・大阪工業技術研究所, 室長
落合 庄治郎 京都大学, 工学部, 教授 (30111925)
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Keywords | カーボンアロイ / C / C複合材料 / 破壊 / 切欠き材 / 界面アロイ構造 / 熱処理温度 / 破壊力学 / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では,界面領域の強度や構造が大きく異なるC/C複合材料を,同一の考材をもとにして焼成温度のみを変えて作製し,高倍率のマイクロスコープを試験機と組合せ,アロイ化した界面構造と微視的な破壊挙動の関係をその場観察することにより,界面アロイ構造が切欠き材の破壊機構に及ぼす影響を系統的に検討することを目的とする.また,微視的な破壊のプロセスを考慮に入れた修正シェアラグシミュレーションにより,破壊過程の再現を試み,メゾレベルで力学応答を記述することを試みる.本年度の成果は次のように要約される. (1)破壊機構を界面のアロイ化構造との関連において系統的に検討:焼成温度(HTT)を1600,2500,3000℃と選択することにより,HTTが2500℃以上ではストレス配向による界面構造・強度の変化が観察された.これに伴い,切欠き材の破壊機構も変化し,界面強度が強い(HTT1600℃)の場合はリガメントが8mm(織り目の2倍)を超えると切欠き効果が認められるのに対し,界面強度が弱い(HTT3000℃)場合はリガメントが長くなっても正味断面応力基準で整理できた.微視的な損傷の発生と進展は,上述の破壊機構と非常によく対応することが明かとなった. (2)メゾメカニックスによる破壊過程の再現:シェアラグシミュレーションにおいてマトリックスも軸応力を負担し,はく離を考慮した修正解析を行った.計算結果は焼成温度による切欠き効果の違い(破壊基準の違い)をよく説明した.また,モデルでの各要素の微視的な破壊プロセスも,実験とよく対応することが明らかになった.
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[Publications] 北條正樹: "破壊力学とその特性評価" 材料. 46巻・5号. 568-574 (1997)
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[Publications] 弥富政享: "C/C複合材料の破壊横構に及ぼす熱処理温度の影響" 材料. 47巻. (1998)
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[Publications] Shojiro Ochiai: "A Shear-lag Approach to The Early Stage of Interfacial Failure in The Fiber Direction in Notched Two-Dimensional Composites" Composite Science and Technology. Vol.57・No.7. 775-785 (1997)
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[Publications] 井上忠信: "表面力を受ける異材接合体と温度変化を受けるそれの接合端における応力場の関係" 日本機械学会論文集,A編. 63巻・610号. 1237-1242 (1997)
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[Publications] 井上忠信: "き裂が界面に到達した異材接合対の熱応力の理論解" 材料. 47巻・1号. 60-67 (1998)
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[Publications] 北條正樹: "C/C複合材科の破壊機構評価" 日本機械学会第74期通常総会講演会講演論文集(II). 271-272 (1997)
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[Publications] 三木光範: "複合材料、機械システム入門シリーズ8" 共立出版, 236 (1997)