1997 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマMOCVD法によるC-B-N系ナノコンポジット膜の作製
Project/Area Number |
09243235
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
伊藤 滋 東京理科大学, 理工学部・工業化学科, 助教授 (10120164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明石 和夫 東京理科大学, 理工学部・工業化学科, 教授 (00013095)
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Keywords | プラズマ / MOCVD / BN-C / ナノコンポジット / 高密度プラズマ / トリメチルアミンボラン / カーボンアロイ / 薄膜 |
Research Abstract |
本研究では、プラズマMOCVD法により炭素のマトリックス中にBNの微結晶が分散したBN-Cナノコンポジット膜の作製を試みた。プラズマとしては誘導結合方式により4MHz、4kWの出力で発生させたプラズマ(以下、通常のプラズマと呼ぶ)と、同方式により13.56MHz、300Wの出力で発生させた通常よりも電子・イオン密度の高い高密度プラズマを用いた。MO試薬には、分子内にすでにC、B、Nを含んでいるトリメチルアミンボランを用いた。このMO試薬をプラズマ中で分解し、Si基板(12×12×0.5mm)上に30分間BN-Cナノコンポジット薄膜の堆積を試みた。この際、基板温度を通常のプラズマにおいては800℃、高密度プラズマにおいては700℃とした。生成膜は、どちらのプラズマを用いた場合においても、FT-IRおよびXPSスペクトルによる分析から、h-BNと炭素からなる膜であることが確認された。さらに、通常のプラズマを用いて作製された膜は、TEDおよびXRD測定より粒径数十Åのh-BNとアモルファスの炭素からなるナノコンポジット膜であることが確認された。また、高密度プラズマを用いて作製された膜は、アモルファスのh-BNとアモルファスの炭素からなる膜であった。また、通常のプラズマを用いて作製した膜について、XPSにより膜中のBNとCの組成分析を行ったところ、BN:C=2:1であった。そこで、BNとCの組成がより大きく異なった膜を得るため、キャリヤ-ガス中にC_2H_2を添加し成膜を行った。その結果、BN:C=1:1および1:5の組成を持つ膜が得られ、膜組成の制御の可能性が示唆された。
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