1997 Fiscal Year Annual Research Report
木炭の組織孔制御とその微細孔内への貴金属-ポリ酸複合分子の接合:電極触媒への展開
Project/Area Number |
09243238
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
計良 善也 近畿大学, 理工学部, 教授 (80028216)
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Keywords | 木炭 / 細孔構造 / 貴金属-ヘテロポリ酸複合分子 / カーボンアロ-イ / ミクロ孔 / 電極触媒 / 低級炭化水素 / 選択酸化 |
Research Abstract |
本研究はで木炭の組織孔の内壁面上のミクロ孔に貴金属-ヘテロポリ酸複合分子を接合した機能電極触媒系の調整を試み、これを燃料電池の酸素触媒極として適用した外部からの電位規制が可能な低級炭化水素の部分選択酸化反応システムを構築する事を目標とする。 ヒノ木を900oCで焼成し、2時間空気賦活して調製したヒノ木炭(H2)上にPdおよびPtを含浸担持(1〜6w/w%)して、水素還元すると金属微粒子(2〜3nm)の均一な分散体が容易に得られることをTEMで確認した。これに12-モリブドリン酸およびそのMoのヴァナジウム置換体(PMo12,PVMo11,PV2Mo10など)を組み合わせて、予備的にアルコール類の選択酸化活性を検討した。また、電極触媒にはNafion(H^+導電体として)の添加を必要とする。その添加率と選択酸化活性との関係についても予備的に検討した。その活性はPMo12のV置換およびPMo12とNafinoの添加比率に大きく依存することを明らかにした。 Pd-metalとそれらの触媒活物質を種々に組み合わせたヒノキ木炭を加熱成型して酸素極に、Pt-metalを分散したヒノキ木炭を水素極とし、更に両者をNafion-シートに圧着した“一体型燃料電池"の電極システムを作成した。そのH2-O2燃料電池の放電特性(V-i曲線)を測定して、Pd:1〜12w/w%,PVMo11:6〜12w/w%,およびNafion:6w/w%の電極で最も高い放電活性を得た。ただし、電池の内部抵抗は尚約100Ωと高く、電極作成法に多くの改良すべき問題が残っているものと考える。これと並行して、現在酸素極に炭化水素ガス(プロピレン)と酸素ガスを流して、その選択酸化活性を種々検討している。
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