1997 Fiscal Year Annual Research Report
進化的方法によるソフトウェアの自動発展に関する研究
Project/Area Number |
09245209
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長尾 智晴 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10180457)
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Keywords | 進化的計算法 / 遺伝的アルゴリズム / 遺伝的プログラミング / 組み合わせ最適化 / 進化的ソフトウェア |
Research Abstract |
本研究では,発展・進化可能性を有するソフトウェアを,基本構成要素を回路網状あるいは木構造上状に組み合わせることによって記述・表現し,扱う問題に応じて学習・適応・発展・進化させる方法論を確立することを目的としている.本研究では,基本構成要素として,1.しきい素子,2.演算子,3.関数,4.手続き,5.プログラムを扱い,マルチレベルの研究を遂行している.それぞれの場合について本年度の研究実績の概略を示す. 1.しきい素子:ユニット間の結合を近傍だけに限定した神経回路網であるACNNの進化的最適化法を確立し,仮想空間内での追跡問題に適用してその有効性を確認した. 2.演算子:四則演算子の進化的組み合わせ最適化に基づいて事例を汎化する方法を開発した. 3.関数:遺伝的プログラミングにおける関数記述の木構造に枝の強度の概念を導入した新しい手法を提案し,マルチエージェントの集団評価に基づく役割分担の発現に適用してその有効性を確認した. 4.手続き:環境入力として現在だけでなく過去の状況も考慮に入れる分類システムを提案し,不完全知覚に基づく迷路の最適経路決定問題及び仮想空間における追跡問題に適用して有効性を示した. 5.プログラム:それぞれが別のプログラムに基づいて自律的に判断を行う自律エージェントの集団を用いて人工株式市場を形成し,その株価変動を実際の株価変動の予測に用いる方法論について検討した. これらの研究成果の一部は,これまでに国際会議あるいは国内の学会などにおいて公表しており,世界的に注目されている.
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[Publications] 長尾智晴: "遺伝的アルゴリズムによる数値最適化のための均質コーディング" 電子情報通信学会論文誌. J80-DII,1. 56-62 (1997)
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[Publications] 桝永慎哉: "サンプル画像を用いた画像変換プロセスの自動構築" 映像情報メディア学会誌. 51・8. 1278-1283 (1997)
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[Publications] Masahiro Fukuyori: "A simulation on the pursuit problem using TCS" Proceedings of ISSL-97. 1. 171-176 (1997)
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[Publications] Shinya Masunaga: "An action control model of agents based on evaluation of group behavior" Proceedings of SMC-97. 1. 3343-3348 (1997)
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[Publications] Masahiro Fukuyori: "A pursuit simulation using a time-dependent classifier system ; TCS" Proceedings of SMC-97. 1. 2806-2811 (1997)
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[Publications] Daisuke Hiratsu: "Three dimensional artificial cellular neural network (3D ACNN)" Proceedings of ISIC-97. 1. 289-293 (1997)