1997 Fiscal Year Annual Research Report
南九州における家畜糞尿の資源化および緑農地還元システムの構築.
Project/Area Number |
09247236
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金澤 晋二郎 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (10011967)
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Keywords | コンポスト / 家畜糞尿の資源化 / ゼロエミッション / コンポストの腐塾判定法 / 農地還元システム |
Research Abstract |
研究成果 1.鹿児島県の畜産の現状 家畜糞尿量(670万トン)から算出される堆肥発生予測量は480万トンと推定され、主用な堆肥化施設(170箇所:1996年度)生産される堆肥量は約32万トンで、施設の不足は極めて大きいことが判明した。そのため、県内での家畜糞尿の処理は不可能で、野積みや素掘り、河川放流等の不法投棄、および農地への多量施用による地下水汚染など、深刻な状況が進行していた。また、670万トン家畜糞尿を、県内の耕地の面積:13万5千haに均等に施用した場合、10a当たり5.0トンにも及ぶ量である。これは通常の施用量の2から3倍に相当する膨大な量でった。 2.高品質鶏糞堆肥の製造 鹿児島県で大量に発生する鶏糞の燃焼性に着目し、県内の頴娃町で石油代替エネルギーとして活用した発電事業化が計画されている。その際、燃焼灰(フライアッシュ)が発生する。その燃焼灰の成分を調べると、リン酸、カルシウム、珪酸等が著しく高いリン鉱石の成分と非常によく類似していた。そこで、この無機栄養分に富んだ燃焼灰を用いた“高品質堆肥製造プロセス“について検討した結果、燃焼灰2割、籾殻3割、鶏糞5割の比率で堆肥化するのが、温度の上昇、微生物数、酵素活性、等の分析値から、最も良好な堆肥が製造できることが明らかになった。 3.簡便・迅速コンポスト腐熟判定法としての発芽インデックス法の提案 本法の概要は、蒸留水を対照に堆肥の水抽出液でコマツナの発芽数と根長を1、2、7日毎に調べ、次式を用い発芽インデックスを求めた。GI=G/GcXL/LcX100、GI:発芽インデックス、G:堆肥での発芽数、Gc:蒸留水での発芽数、L:堆肥での根長、LC:蒸留水での根長、等を表わす。この発芽インデックスは、土耕による発芽試験および堆肥の腐熟度等と良く一致した。従って、ここで開発した発芽インデックス法は、簡便・迅速なコンポストの腐熟判定法として用いることが明らかとなった。
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