1997 Fiscal Year Annual Research Report
写真関連産業における廃棄物リサイクル手法の評価およびゼロエミッション化の検討
Project/Area Number |
09247242
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常田 聡 早稲田大学, 理工学部, 講師 (30281645)
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Keywords | 写真廃液 / 定着液 / 脱銀 / 電気分解 / 電気透析 / ゼロエミッション / リサイクル / 生物処理 |
Research Abstract |
写真関連産業での現像液や定着液の使用状況・使用工程を調査し,排出の削減・防止策を提出することを目的として研究を行った。本年度は特に定着廃液を取り上げ,その物質フローの解析と再生技術の評価を行った。また,写真廃液の生物処理を実際に行い,写真廃液中に含まれる成分の生分解性を明らかにした。 定着液の再生の際に必要となるのが(A)脱銀,(B)界面活性剤等の除去,(C)ハロゲン除去,(D)成分調整である。このうち,(A)および(C)の工程が必要なのは,銀,ハロゲンの残存によって定着速度が遅くなるからである。また,(B)は(C)のハロゲン除去を妨害するためである。各工程での必要技術は以下の通りであることがわかった。 (A)廃液の再生に適している脱銀方法は,添加物や溶出物がない電解法である。電解法により脱銀を行うときは,電位の制御により硫化銀の生成を抑え,陰極室と陽極室をイオン交換膜等で分離して硫黄の生成を抑制する必要がある。 (B)界面活性剤,現像主薬酸化物等は活性炭吸着あるいは膜分離法により除去することが望ましい。 (C)硬膜剤として含まれるアルミニウムイオン(3価)や,ハロゲン化銀溶解剤として含まれるチオ硫酸イオン(2価)は保持し,ハロゲンイオンのみを除去するために1価選択性イオン交換膜を用いて電気透析を行う。 (D)最後に成分の調整をする際,pHや各々の成分には最適な値が存在する。 さらに,混合培養系で長期馴養した微生物群を用いて,写真廃液を生物分解した結果,1,000ppm程度のTOC成分が残存した。写真廃液を生物処理のみで完全無害化するためには,難生分解性の有機化合物(EDTAなど)を分解する特殊な細菌が必要であることが示唆された。
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