1997 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄電気製品中に含まれる有害金属の処理による環境負荷低下
Project/Area Number |
09248207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂村 博康 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00114489)
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Keywords | 廃棄電気製品 / 携帯電話 / 有害金属元素 / 溶出 / 溶融 / はんだ / 鉛 / プリント配線基板 |
Research Abstract |
電気製品に含まれている金属の年代別使用量と、電気製品を廃棄するときの処理による有害金属の溶出量の変化を調べ、それをもとにして電気製品の廃棄方法を検討した。本研究での主な調査対象製品として、携帯電話を選択した。研究は3つに分けて行った。 製品中の構成材料の推移調査:製品がどのような材料でどの程度の量で構成されているかを明確にするため、製品の分類、分解を行った。年代により大きく変化した部品は基板類(含電子部品)であり、かなりの減量がみられた。分析結果から使用されている有害金属が大幅に減少していた。またバッテリ-の種類もニカド電池からニッケル-水素電池に変化しており、環境の立場からみれば、よい方向といえる。ただし携帯電話の加入者が90年と比べて、96年では20倍以上となり、将来への膨大な廃棄が予想される。 溶出実験:携帯電話に使用されている基板類に含有している有害金属元素の溶出状況をPbおよびSbを例として調べた。基板類をそのままの状態、800℃で焼却した焼却灰、さらに1500℃で溶融した溶融物で行った。Pb,Sbとも未処理の場合がもっとも高く、溶融すると溶出はかなり減少した。Pbの主な溶出源ははんだからであり、Sbの溶出源は電子部品のICからである。電気製品を廃棄する場合、基板類の回収が重要である。 プリント配線基板上に溶着しているはんだの回収:基板に溶着しているはんだを取り除くための実験を行った。種々の実験を行ったうちで、振動を与えて加熱する方法がもっとも効果があった。基板に50〜75Hzの振動を与えながら加熱した結果、190℃付近の温度で回収量が最大となった。回収率は60%を越えた。
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Research Products
(2 results)