1997 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境改善政策の社会経済影響を評価する流域ユニットの環境経済勘定体系の構築
Project/Area Number |
09248222
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
盛岡 通 大阪大学, 工学部, 教授 (30029350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 登 大阪大学, 工学部, 助手 (60263224)
藤田 壮 大阪大学, 工学部, 助手 (70263217)
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Keywords | 環境勘定体系 / 環境費用評価 / 物質収支 / 地球環境改善施策 / 流域ユニット / 琵琶湖淀川流域 / アジア諸国 |
Research Abstract |
本研究は地球社会の様々な経済活動の断面における影響を体系的に計上して算定する環境勘定システムを流域ユニットで構築することにより、人間活動の地球環境へのインパクトを低減する技術や社会システムの導入に伴う環境改善効果と社会経済影響を、流域単位および都市圏単位で総合的に予測し評価するための勘定体系を構築するものである。主な研究の成果は、 1.SEEAの体系に整合する流域ユニットでの環境経済勘定のフレームを、既報研究をもとに設計した。 2.流域勘定体系の利用により、廃棄物に着目した分析の結果として、(1)流域内府県間での財・サービスの相互の取引きに伴う固形廃棄物(汚泥)、水資源、炭酸ガスの直接、間接の排出構造には、その依存の中心がこの順に自地域内、地域間、域外へと変化している様子が表れており、空間単位や効果の規模との関連を考慮してこれらの環境質の循環形成を図る施策を適用することが重要、(2)自治域内誘発の大きい汚泥の内訳は下水処理に伴う発生が6割を占め、処理レベルの向上により流域内の自治域での誘発量は低減する一方、効率やエネルギー回収が十分でない場合には炭酸ガスを媒介に域外へ負荷をシフトさせる影響も無視できないため、エコマージン指標等による勘定評価が不可欠、(3)自治域内の誘発が大きい汚泥の場合でも、流域内地域間経済の水平分業を明確に反映した依存構造が伺われ、流域内の各地域で誘発の寄与の大きい部門の処理効率を互いに高めるための合意形成や広域処理処分を行う場合の連担が課題、(4)これらの分析をもとに循環形成を図る環境改善効果と社会経済的影響を評価した。 3.アジア諸国の国際河川、長大河川の流域圏を対象に、統計や土地利用などのデータのアクセスなどの流域情報構築や国際比較のフレームを中心に、アジア圏における流域環境勘定体系構築の指針と課題について考察した。
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Research Products
(1 results)