1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09249208
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 敬 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252226)
|
Keywords | 転写因子 / モジュール / DNA結合 / リン酸基結合 / 塩基特異的認識 / ヘリックス・ターン・ヘリックス / イントロン / エキソン |
Research Abstract |
本研究ではDNAとの複合体のX線結晶解析がなされている転写因子やDNAポリメラーゼ、修復酵素などを対象に、モジュール構成とDNAとの相互作用を解析した。その結果、機能がモジュールによって分担されていることがわかった。DNAとの相互作用は塩基特異的認識とリン酸基結合とに分けられることを、昨年度までに明らかにしている。DNPポリメラーゼや修復酵素などの触媒機能も、塩基特異的認識やリン酸基結合と同様に、数少ないモジュールに分担されていた。DNAの塩基配列を特異的に認識するモジュールとしては、ヘリックス・ターン・ヘリックス(HTH)モジュールが知られている。塩基の特異的な識別のために、共通の主鎖構造をもつモジュールHTHが使われているが、アミノ酸側鎖に個性があるから特異的な相互作用ができる。一方、DNAの主鎖骨格にはリン酸基があり、リン酸基とタンパク質との相互作用も重要である。このことはこれまであまり注目されていなかった。リン酸基結合モジュールにも、共通性のある立体構造が存在する。原核生物と真核生物由来の3種類の転写因子と真核生物由来のDNAポリメラーゼとの間に、共通のHTHモジュールが存在することを見いだした。リン酸基との相互作用の様式の詳細を調べた結果、水素結合の様式もよく似ているリン酸基結合HTHモジュールであった。これらのモジュールは、一次構造にも共通性をもつことが明らかになった。この結果から、RNAポリメラーゼαサブユニットとDNAとの相互作用部位を、相互作用の様式を含めて推定することができた。HTHモジュールは、塩基特異的認識、リン酸基結合、あるいは他のモジュールの支持台として、何回もタンパク質に組み込まれていったことが示された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Yura,K: "The homeodomain-like putative product of plastid genome:A possile role in plastid differentiation." J.Res.Commu.Biochem.Cell & Mol.Biol.1・1. 79-81 (1997)
-
[Publications] Shirai,T: "Adaptive amino Acid replacements accompanied by domain fusion in reverse transcriptase." J.Mol.Evol.44・Suppl.1. S155-S162 (1997)
-
[Publications] 郷 通子: "「ニューバイオフィッジックス(2)遺伝子の構造生物学」(分担執筆)" 共立出版, 196 (1998)