1997 Fiscal Year Annual Research Report
マウス骨髄性白血病原因遺伝子Evi-9の同定とその解析
Project/Area Number |
09253208
|
Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
中村 卓郎 財団法人癌研究会, 癌研究所, 研究員 (00180373)
|
Keywords | Evi-9 / BXH-2マウス / 骨髄性白血病 / zinc finger / がん遺伝子 / alternative splicing / insertional mutagenesis / exon trapping |
Research Abstract |
BXH-2マウス骨髄性白血病におけるcommon retroviral integration siteであるEvi-9 locusから責任遺伝子を同定した。Evi-9 locusを含むBACクローンを単離し、ここからexon trappingによって単離されたexon候補をプローブとして、組織での発現様式を調べた。Integration siteに近接する2つのexonが、脳、脾臓、精巣、胎児組織に豊富に発現しており、マウス胎児cDNA libraryをスクリーニングしてcoding region全長を含むcDNAクローンを単離した。 Sequence解析から、Evi-9遺伝子はC2H2 typeのsingle及びdouble zinc finger domain各1個を含む773アミノ酸から成る未知の蛋白質をコードすることが示された。Alternative splicingにより1.4-10kbの4種類のtranscriptが存在し、3種類の蛋白のisoformがコードされる。Evi-9蛋白は、drosophilaの核蛋白質とhomologyを有し、転写因子或はそのco-factorである可能性が示された。Zinc finger domain間にはprolineに富む領域が、C末端側にはacidic domainが存在し、これらが転写活性の調節に関与している可能性も考えられた。 BXH-2白血病でEvi-9locusにretroviral integrationのあるものにEvi-9の発現亢進が認められ、この遺伝子がdominant oncogeneとして機能していると示唆された。一方、マウス骨髄性白血病M1のようなintegrationを持たない細胞株の中にもEvi-9が強く発現しているものがあり、Evi-9が白血病一般において生物学的意義を持つ可能性が示された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Chang C-P, Jacobs Y, Nakamura T, Jenkins NA, Copeland NG aad Cleary ML.: "Meis proteins are major in vivo DNA binding parthers for wild-type but not chimeric Pbx proteins." Mol.Cell.Biol.17(10). 5679-5687 (1997)
-
[Publications] 中村卓郎: "t(7;11)AMLの分子生物学" 血液・免疫・腫瘍. 2(2). 176-182 (1997)