1997 Fiscal Year Annual Research Report
(サイトカイン+bcl-2)遺伝子導入・欠損とSCIDマウスを用いた抗腫瘍効果
Project/Area Number |
09255240
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 全司 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40160684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋吉 毅 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70038660)
安部 真佐子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30222665)
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Keywords | bcl-2遺伝子 / キラーT細胞 / SCIDマウス / 抗ヒト腫瘍免疫 / サイトカイン遺伝子治療 / transgenicマウス / IL-6遺伝子 / アデノウイルス・ベクター |
Research Abstract |
1.bcl-2遺伝子導入マウス+IL-6遺伝子+IL-6R遺伝子+gp130遺伝子導入の解析:(IL-6遺伝子+bcl-2遺伝子)導入T細胞の生体内移入実験により、キラーT活性を保持したままの長期生存を可能にするadoptive transferの画期的モデルを確立した。一方IL-6遺伝子欠損+bcl-2遺伝子欠損マウスではキラーTの分化誘導等は認められなかった。bcl-2遺伝子導入マウスにこれらのIL-6関連遺伝子(IL-6+IL-6R+gp130)をアデノウイルスベクターを用いて導入すると極めて強力な生体内キラーT分化誘導の相乗効果が認められた。 2.アデノウイルスベクターに導入したIL-6遺伝子+IL-6R遺伝子+gp130遺伝子を自己のヒト癌が生着したSCID-PBL/huに投与し、相乗的ヒト・キラーT分化誘導を示した。このキラー活性は自己のヒト癌にのみ特異的であることを明らかにした。 3.(IL-6+IL-7)double transgenic(Tg)マウス及び(IL-6+β-IFN)double Tgマウスのリンパ球は長期生存とキラーT分化増強・抗腫瘍増強作用を示した。 4.IL-6欠損患者を初めて見出し、この患者ではキラーT分化が全く認められないことを示した。 5.IL-6遺伝子ノックアウトマウス及びIL-6TgマウスにIL-6R遺伝子とgp130遺伝子を導入して治療を行った。その結果、担癌IL-6Tgマウスでは腫瘍特異的キラーT誘導の相乗効果が認められ、IL-6(-/-)では認められなかった。これらの結果よりIL-6関連遺伝子導入+bcl-2遺伝子導入は抗腫瘍に強力な武器を提供することが示された。
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[Publications] Tanaka,F: "The unti-human tumor effect and generation of human cytotoxic T cells in SCID-PBL/hu mice by the in vivo transfer of the IL-6 gene using adenovirus vector" Cancer Research. 57. 1335-1343 (1997)
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[Publications] Maeda,T: "Two sisters with Ehlers-Danles syndrome and congenital heart anomalies" Internal Medicine. 35. 200-202 (1997)
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[Publications] 岡田全司: "IL-6遺伝子を用いた遺伝子治療" 血液・腫瘍科. 34. 353-363 (1997)
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[Publications] 岡田全司: "ヒト腫瘍のモデル-ヒト癌に対するサイトカイン遺伝子治療モデル" 日本・疾患モデル学会誌. 印刷中. (1998)
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[Publications] 岡田全司: "腫瘍の免疫機構を介する遺伝子治療" 臨床医. 印刷中. (1998)
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[Publications] 岡田全司: "ヒト腫瘍のモデル(SCID-PBL/hu疾患モデル)“SCID・疾患モデル研究"" 日本医学館, 14(148) (1997)
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[Publications] 岡田全司: "ヒト腫瘍モデル総論“SCID・疾患モデル研究"" 日本医学館, 15(148) (1997)