1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09256201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 賢蔵 北海道大学, 医学部, 教授 (30133721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 亮 北海道大学, 医学部, 助手 (20241317)
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Keywords | EBウイルス / バ-キットリンパ腫 / 発がん / 悪性形質 / アポトーシス / 胃がん |
Research Abstract |
EBウイルス(EBV)はバ-キットリンパ腫、上咽頭がんに加え、最近では胃がんとの関連も明らかとなり注目されている。本研究では、バ-キットリンパ腫および胃がんのin vitro感染モデルを新たに開発し、発がんにおけるEBVの役割について検討した。 1.EBVが脱落したAkata細胞へ再度EBVを感染することにより、親Akata細胞と同様のバ-キットリンパ腫型の遺伝子発現を示す感染が再現され、それに伴い細胞は悪性形質を獲得した。 2.個別のEBV遺伝子をEBV陰性Akata細胞へ導入した実験から、EBERが細胞悪性化の一部を担っていることが示唆された。 3.EBV感染Akata細胞は非感染Akata細胞に比べてbcl-2の発現が高く、アポトーシス抵抗性であることを明らかにした。 4.薬剤マーカーを組み込んだEBVは感染細胞のみを分離することを可能にした。本EBVを用いることにより世界で初めて上皮細胞へのEBV感染系を確立した。Cell-to-cell contactが上皮細胞への感染を容易にすること、EBVがCD21以外のレセプターを介して上皮細胞へ感染すること、を明らかにした。 5.一部の上皮細胞ではEBV感染に伴い細胞の倍加時間が短縮し、軟寒天での増殖性が高くなっていた。 以上、バ-キットリンパ腫に加え、上咽頭がん、胃がんなどの上皮性のがんにおいてもEBVが細胞悪性化に寄与している可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Koide,J.: "Spontaneous establishment of an Epstein-Barr virus-infected fibroblast line from the synovial tissue of a rheumatoid arthritis patient" J.Virol.71. 2478-2481 (1997)
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[Publications] Wen,S.: "Epstein-Barr virus(EBV)infection in salivary gland,tumors:lytic EBV infection in nonmalignant epithelial cells surrounded by EBV-positive T-lymphoma cells." Virology. 227. 484-487 (1997)
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[Publications] Yoshiyama,H.: "Epstein-Barr virus infection to human gastric carcinoma cells:implication of the existense of a new virus receptor different from CD21." J.Virol.71(7). 5688-5691 (1997)
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[Publications] Yanai,H.: "Endoscopic and pathologic features of Epstein-Barr virus-associated gastric carcinoma." Gastrointest.Endosco.45(3). 236-242 (1997)
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[Publications] Yanai,H.: "Epstein-Barr virus infection in non-carcinomatous gastric epithelium." J.Pathol.183(3). 293-298 (1997)