1998 Fiscal Year Annual Research Report
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09256201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高田 賢蔵 北海道大学, 医学部, 教授 (30133721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 聖爾 北海道大学, 医学部, 助手 (70292018)
今井 章介 北海道大学, 医学部, 助教授 (60232592)
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Keywords | EBウイルス / バーキットリンパ腫 / 発がん / 悪性形質 / アポトーシス / 胃がん / bcl-2 |
Research Abstract |
(1)バニキットリンパ腫の悪性形質とbcl-2の関連 EBV陰性Akata細胞へEBERを導入するとbcl-2の発現が高くなること、EBV陰性,Akata細胞へbcl-2発現プラスミドを導入すると、軟寒天での増殖性、アポトーシス抵抗性を獲得すること、bcl-2の発現が高くなるとそれに応じて軟寒天でのコロニー数、アポトーシス抵抗性の程度が高くなることを明らかにした。 さらに、EBV陽性Akata細胞へbax発現プラスミドを導入すると、軟寒天での増殖性、アポトーシス抵抗性が失われることを明らかにした。 以上の結果は、EBERはbcl-2を介して悪性形質、アポトーシス抵抗性を賦与することを示唆する。バーキットリンパ腫ではc-myc遺伝子の免疫グロブリン遺伝子部位への転座により、c-mycの恒常的発現が起こっている。我々の結果は、c-mycとEBERにより活性化されたbcl-2の協調がパーキットリンパ腫発生の本態であることを示唆する。 (2)EBVによる初代胃培養細胞のがん化 21例の初代培養中3例でEBVの感染が確認され、その内の1例からEBV感染細胞クローンが繰り返し分離された。EBV遺伝子の発現はEBNA1.EBER、BARF0、LMP2Aのみで、EBV陽性胃がんの感染を再現していた。 EBV感染細胞クローンは非感染細胞に比べ細胞倍加時間が短く、最大細胞密度が2倍以上であり、非感染細胞が60継代で死滅したのに対し、1年半以上(300継代)にわたり維持でき、EBV感染により不死化したと判定された。また、EBV感染クローンは軟寒天で増殖でき、SCIDマウスで一過性に腫瘍(径10-15mm)を形成した。 以上の結果は、EBVが上皮細胞においても発がん維持に寄与していることを示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nishikawa, J.: "EBV promotes epithelial cell growth in the absence of EBNA2 and LMP1 expression" J.Virol.73. 1286-1292 (1999)
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[Publications] Imai, S.: "Cell-to-cell contact as an efficient mode of Epstein-Barr virus infection of diverse human epithelial cells" J.Virol.72. 4371-4378 (1998)
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[Publications] Komano, J.: "Epstein-Barr virus contributes to the malignant phenotype and to apoptosis resistance in Burkitt's lymphoma cell line Akata." J.Virol.72. 9150-9156 (1998)
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[Publications] Sugawara, Y.: "Detection of EBV in hepatocellular carcinoma tissue: a novel EBV latency characterized by absence of EBER expression." Virology. (in press).
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[Publications] Torii, T.: "The truncated form of the Epstein-Barr virus LMP1 is dispensable or complimentable by the full-length form in virus infection and replication." Virology. 251. 273-278 (1998)
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[Publications] Mizugaki, Y.: "Detection of Epstein-Barr virus in oral papilloma." Jap.J.Cancer Res.89. 604-607 (1998)