1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経可塑性と代謝調節型グルタミン酸受容体の基礎的研究
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09259237
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
篠崎 温彦 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20109945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇山 佳明 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20281686)
石田 美知子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (90124437)
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Keywords | シナプス伝達 / 単シナプス脊髄反射 / priming / 代謝調節型グルタミン酸受容体 / グルタミン酸トランスポーター / グルタミン酸 / α-アミノピメリン酸 |
Research Abstract |
α-アミノピメリン酸は低濃度でそれ自身何の作用も示さないにもかかわらず、最近我々が開発したmG1uRアゴニストF2CCG-Iを短時間暴露すると、それを完全に洗浄した後で、α-アミノピメリン酸は単独で単シナプス脊髄反射の抑制を起こすようになる。これはシナプス伝達の可塑性が極めて短時間に発現した結果生じる現象と考えられる。我々は、キスカル酸primingの例に倣って、この現象をF2CCG-I primingと呼ぶ。グルタミン酸も脱分極を生じない極めて低い濃度でα-アミノピメリン酸と同じ作用をもつ。これまでに、(1)アミノピメリン酸は既存のmGluRを活性化せず、既存のmGluRはprimingを起こすことには関わっていない。(2)グルタミン酸とF2CCG-Iの同時適用でα-アミノピメリン酸の作用が抑制される。(3)温度依存性がある。(4)ラット大脳皮質シナプトゾームへのNa^+依存性グルタミン酸取り込みには影響せず、Ca^<2+>/Cl^-依存性の取り込みに関係しているらしい。(5)F2CCG-Iが脊髄組織に付着あるいは取り込まれる、などがわかってきた。この現象は既に認知されている如何なるシナプス伝達機構によっても説明が困難である。種々の検討の結果、グルタミン酸トランスポーターが関与している可能性が強まっているが、グルタミン酸トランスポーターがシナプスの可塑性に関与するならば、これを実証する初めてのケースとなろう。Ca^<2+>/Cl^-依存性のグルタミン酸トランスポーターの選択的なリガンドがまだ開発されていないため、この研究の波及効果は大きい。しかし、上記の結果は細胞内情報伝達系の活性化に関与する新しいタイプのGluRが存在する可能性を否定するものでは決してない。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Miyamoto,M.: "Anticonvulsive and neuroprotective actions of a potent agonist(DCG-IV)for group II metabotropic glutamate receptors against intraventricular kainate in the rat." Neurosci.77. 131-140 (1997)
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[Publications] Uyama,Y.: "DCG-IV,a potent metabotropic glutamate receptor agonist,as an NMDA receptor agonist in the rat cortical slice." Brain Res.752. 327-330 (1997)
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[Publications] Klein,J.: "Ontogenetic and pharmacological studies on metabotropic glutamate receptors coupled to phospholipase D activation." Neuropharmacol.36. 305-311 (1997)
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[Publications] 篠崎温彦: "グルタメート" 精神神経薬理. 19. 154-166 (1997)
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[Publications] Saitoh,T.: "Potentiation by DL-α-aminopimelate of the inhibitory action of a novel mGluR agonist(L-F2CCG-I)on monosynaptic excitation in the rat spinal cord." Brit.J.Pharmacol.123. 771-779 (1998)
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[Publications] 篠崎温彦: "医系薬理学" 中外医学社, 562 (1997)
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[Publications] Shinozaki,H.: "Metabotropic Glutamate Receptors and Brain Function" Portland Press Ltd.(印刷中),
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[Publications] Shinozaki,H.: "Recent advances in pharmacological research on traditional herbal medicine" Gordon and Breach,Science Publishers,Inc.(印刷中),
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[Publications] 篠崎温彦: "薬物受容体" 南山堂(印刷中),