1997 Fiscal Year Annual Research Report
溶液X線散乱模擬計算法による蛋白質の非天然構造の精密解析
Project/Area Number |
09261210
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
曽田 邦嗣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10011686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 洋一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 講師 (80262476)
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Keywords | 蛋白質 / 立体構造 / 構造安定性 / 非天然状態 / 非天然構造 / 変性状態 / モルテン・グロビュル / 溶液X線散乱 |
Research Abstract |
蛋白質の変性(D)状態やモルテン・グロビュル(MG)状態などの非天然状態について,分光学的には取得困難な構造情報を得るために,構造モデルのコンホメーションを計算機内に多数生成させ,X線散乱プロフィルの実測との対照から,モデルを検定する方法を開発してきた。その結果,α-ラクトアルブミンとシトクロムcのMG構造は,多部構造モデルで近似的に記述できることを見出すと共に,ミオグロビンのMG構造モデルを精密化し,更に完全変性(U)状態の構造に関しても新たな知見を得た。 (1)変性状態の構造,特に残存規則構造とその意義 292種の蛋白質の原子座標値を用いて,全残基の2次構造帰属を行い,coil部,coil+turn部および全2次構造部にある残基の主・側鎖2面角の確率分布を決定した。これらの2面角分布を用いて,ミオグロビンのU鎖のコンホメーションを生成させ,X線散乱プロフィルを実測と比較した結果,(a)D状態鎖は,天然(N)状態に近い主鎖2面角分布を示し,(b)一般に揺動的な局所規則構造をもつ,(c)この局所構造は,蛋白質の折り畳み初期における2次構造形成の核になり得ることを明らかにした。 (2)ディスタンス・ジオメトリ法を用いた非天然状態の候補構造生成法の開発 非天然状態で取り得るコンホメーションについて,原始的な多部構造モデルにおける制限を緩和する方法として,ディスタンス・ジオメトリ法を用いた候補構造生成法を開発した。 (3)酸性モルテン・グロビュル状態におけるミオグロビンの大局構造 (2)の手法をミオグロビンのMG状態に使用した結果,N状態だけでなくMG状態の構造を決定する因子としても,疎水相互作用が重要な役割を果たし得ることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Soda, K.Kakuyama, Y.Miki: "Non-random ionic-charge distribution responsible for the structural stability and molecular recognition of proteins" Biosystems. 43. 199-204 (1997)
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[Publications] Y.Miki, K.Kakuyama, K.Soda: "Protein stability ; optimization of electrostatic contributions by partially neutralizing surface ionic charges" Biosystems. 44. 69-77 (1997)
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[Publications] 曽田 邦嗣: "「タンパク質のかたちと物性」§2.6タンパク質の水和" 共立出版, 11 (1997)
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[Publications] K.Soda: "“Water" in Encyclopedia of Molecular Biology" John Wiley & Sons,Inc., 2 (1998)