1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09264214
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
堀田 康雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30190218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 尚文 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20263444)
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Keywords | 減数分裂特異的遺伝子 / LIM遺伝子 / 生殖細胞 / アミロプラスト / 花粉 |
Research Abstract |
テッポウユリ花粉母細胞の減数第一分裂前期に特異的に発現するLIM遺伝子、特に、既知の遺伝子と有為な相同性を示さない新規な遺伝子(LIM4,LIM13/5,LIM14,LIM16,LIM17)について抗体を作成し、ユリ花粉形成過程における発現様式および細胞内所在の検討を行ってきた。その結果、LIM14について以下の知見が得られた。(1)抗LIM14抗体を用いたウエスタン法で発現様式を調べたところ、LIM14タンパク質は四分子および未成熟花粉において葯14kDaのタンパク質として検出された。一方、四分子以前の花粉母細胞および他の組織ではLIM14タンパクは検出限界以下であった。(2)間接蛍光抗体法により、LIM14タンパク質の所在様式を検討した結果、LIM14タンパク質は四分子および未成熟花粉内のデンプン粒と共局在することが明らかとなった。一方、LIM14タンパク質のデンプン粒への局在は、他の組織のデンプン粒には観察されなかったことから、LIM14タンパク質は減数分裂終了時から花粉の成熟過程におけるアミロプラスト形成に関与することが示唆された。 新規なLIM遺伝子群に対するシロイヌナズナ、タバコ、イネ相同遺伝子と考えられるDNA情報がデーターベース中に見いだされた。データーベース中の情報を基に、これらのLIM相同遺伝子のcDNAおよび遺伝子の取得を進めた。現在までに、膜タンパク質をコードしていると予想されるLIM8に対するアラビドプシス相同遺伝子およびそのcDNAの一次構造がほぼ決定された。構造の保存性/多様性を検討した結果、LIM8タンパク質は細胞壁と接着すると考えられるN末領域と膜貫通ドメインが保存されたタンパクであると予想された。現在、形質転換植物を用いた機能解析を進めている。
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[Publications] Hotta,Y.: "Meiosis specific transcription and functional proteins." Adv.Biophys.31. 101-115 (1995)
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[Publications] Terasawa,M.: "Localization of RecA-like recombination proteins on chromosomes of lily at various meiotic stages." Genes and Develop.9. 925-934 (1995)
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[Publications] 平塚和之: "雄性配偶体形成過程の分子解剖。" 育種学・最近の進歩. 38. 47-50 (1996)
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[Publications] 高瀬尚文: "植物のDNA組換えシステム。" 化学と生物. 34. 683-691 (1996)
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[Publications] Hotta,Y.: "Regulation of genes expressed during meiosis." Analysis and Utility of Plant Chromosome Information.2-8 (1997)
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[Publications] Tsumennasan,Kh.: "Investigations in the Fl hybrid and backcross progeny of cattle (Bos taurus) and yak (Bos grunniens) in Mongolia." Cytogenetics and Cell Genetics. 78. 69-73 (1997)