1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09264222
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
太田 邦史 理化学研究所, 遺伝生化学研究室, 研究員 (90211789)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 健一 理化学研究所, 遺伝生化学研究室, 基礎特別研究員
|
Keywords | 組換え / ホットスポット / 酵母染色体 / クロマチン構造 / Mrell |
Research Abstract |
本年度は以下の結果を得た。 1)組換え開始因子の生化学的解析:組換え開始に関与する因子(Mrell、Xrs2、Rad50)の大量発現系を作製し、精製を行った。これらの因子のうち、まずMrellタンパク質の機能を調べた。その結果この因子が二本鎖DNAに対する強い結合能を有すること、また、マンガンイオンの存在下で環状一本鎖DNAを切断するエンドヌクレアーゼ活性を有することを初めて見いだした。この活性はそれぞれ、ホットスポットにおける二重鎖切断の誘導と、切断後の修復に重要な意味を有すると考えられる。 出芽酵母第三染色体のホットスポットのクロマチン構造:これまでに、第三染色体上で最強のホットスポットであるYCR48W領域のクロマチン構造を解析し、その領域のクロマチン構造で減数分裂期に強いDNA受容性の増大が起きることを確認した。また、特異な二重鎖切断パターンを示すGLK1遺伝子座、組換えがほとんど起きないコールド領域にあるPOL4遺伝子座、またコールド領域にあるにもかかわらず例外的に組換えの起きるARS310領域のクロマチン構造の解析に着手した。 3)分裂酵母組換えホットスポット:ホットスポットade6M26遺伝子座における減数分裂期のクロマチン構造変化が、ヘテロ倍数性に依存していること、栄養飢餓ストレスに応答して起きることを明らかにした。また、ホットスポット配列結合因子Mts1・Mts2(CREB/ATF転写因子)のいずれもが、クロマチン構造変化に必要なことを示した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Ohta et al.: "Mutations in the MREll,RAD50,XRS2,and MRE2 genes after chromatin configuration at meiotic DNA double-stranded breaksites in premeiotic and meiotic cells." Proc.Natl.Acad.Sai U.S.A.95. 646-651 (1998)
-
[Publications] 柴田武彦,太田邦史: "分子細胞生物学「DNA組換え(遺伝的組換え)の生体制御」" 丸善(株),(田沼靖一編)未定(250), (1998)