1997 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌染色体分配に関与するDNA配列と蛋白質因子の探索
Project/Area Number |
09266214
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
守家 成紀 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (40191051)
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Keywords | 枯草菌 / 染色体分配 / 染色体凝縮 / 無核細胞 / SMCファミリー |
Research Abstract |
最近の目覚ましい研究によって、染色体DNAを積極的に動かす分配装置が細菌にも存在すると考えられるようになった。枯草菌、大腸菌では、この分配装置によって認識されるDNA配列(真核生物のセントロメアと機能的に対応すると考えられている)が、複製開始点(oriC)近くに存在すると推測されている。しかし、その配列はまだ同定されていない。本研究の目的は、このセントロメア配列を同定するとともに分配装置の構成因子を明らかにすることである。 我々はこれまでにoriCが枯草菌においてセントロメアとして機能すると考えられる結果を得ている。そこで、この可能性を検討するために、oriC全体を染色体上の異なる位置に移した菌株を作成し、その染色体分配の様子を観察した。その結果、oriCの代わりにプラスミドを同位置に組み込んだoriC欠失株が高頻度で無核細胞を放出するのに対して、oriC移動株は野性株と同様にほとんど無核細胞を放出しなかった。この結果は、oriC移動株では染色体分配がほぼ正常に行われていることを示唆するとともに枯草菌ではoriC内の配列がセントロメアとして機能する可能性を強く示唆している。次に、枯草菌smc遺伝子の機能解析を行った。この遺伝子は真核生物から原核生物まで広く保存されているが、原核生物における解析例はない。また、大腸菌の染色体分配に必須なMukB蛋白と同様にモーター蛋白質に特徴的な構造を持っている。枯草菌smc遺伝子の欠損変異株を作成して解析した結果、この遺伝子は染色体の分配及び凝縮に必須であることが明らかになった。原核生物の染色体凝縮はこれまでほとんど研究されていないので、我々の研究をきっかけにこの分野の研究が大いに進むと期待できる。一方、その染色体分配における役割については、染色体凝縮異常に伴う間接的効果によるものか或いは分配装置の一員としても機能しているのかまだ結論が出ておらず、さらに解析が必要である。
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[Publications] Shigeki Moriya: "Mechanism of anucleate cell production in the oriC-deleted mutants of Bacillus subtilis." DNA Research. 4,2. 115-126 (1997)
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[Publications] Anwarul K.M.Hassan: "Suppression of initiation defects of chromosome replication in Bacillus subtilis dnaA and....." Journal of Bacteriology. 179,8. 2494-2502 (1997)
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[Publications] Shigeki Moriya: "A Bacillus subtilis gene encoding protein homologous to eukaryotic SMC motor protein is necessary for..." Molecular Microbiology. (印刷中). (1998)