1997 Fiscal Year Annual Research Report
プロリン特異性ペプチダーゼの構造とプロリン特異性発現機構の解明
Project/Area Number |
09267228
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
芳本 忠 長崎大学, 薬学部, 教授 (60088870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 潔 長崎大学, 薬学部, 助教授 (50201926)
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Keywords | 触媒 / 酵素反応 / プロリン / 結晶 / プロテアーゼ / ペプチダーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、プロリン特異性酵素のプロリンへの選択的基質特異性発現とオリゴペプチダーゼの機構を、合成基質を使った解析および結晶解析の両面から解明することにある。合成基質による研究は、プロリンの5員環に相当する構造を持つ合成基質や阻害剤を作り酵素化学的に研究する。一方、酵素のX線結晶解析を行いプロリン特異性酵素の立体構造を初めて明らかにすることにある。このことにより、変性タンパク質には作用できず、低分子のオリゴペプチドにのみ作用するオリゴペプチダーゼの機構や、このユニークなプロリンへの特異性の機構が明らかになり、細胞内でのペプチドやタンパク質の代謝の生理学的研究や酵素の応用に大きく貢献できると思われる。 1)プロリンイミノペプチダーゼのX線結晶解析を行い、結晶構造はP4_12_12スペースグループはa=b=165.6,c=169.8の正方晶系であるこを明らかにした。同じ5員環構造に特異性をも持つピログルタミルペプチダーゼの結晶解析を行い、基質特異性発現の機構を立体構造から推定した。 2)プロリン特異性酵素のプロリンへの基質特異性発現機構を明らかにするため、プロリンをサルコシンや類似の化合物に置き換えた基質を合成して調べた。プロリン特異性酵素は5員環のアルファ炭素側より窒素側の方がより強く認識されることを明らかにした。 3)ヒト脳由来のプロリルエンドペプチダーゼ遺伝子のクローニングを行い、発現ベクターを用いて酵素の生産をおこなった。
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[Publications] Hang.H-S.et al.: "Purification and characterization of thermostable glycerol kinase" J.Ferm.Bioeng. 83. 328-332 (1997)
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[Publications] Tsuru.D.et al.: "Glutathione-independent formaldehyde dehydrogenase from Pscudomonas putida" Biosci.Biotech.Biochem.61. 1354-1357 (1997)
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[Publications] Kabashima,T.et al.: "Prolyl aminopeptidase from Serratia marcescens" J.Biochem.122. 601-605 (1997)
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[Publications] Yoshimoto.T.et al.: "Cloning of prolyl endopeptidase gene from bovine brain and expression in Escherichia coli" Biol.Pharmaceu.Bull.20. 1047-1050 (1997)
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[Publications] Kimura,K.et al.: "Prolyl endopeptidase inhibitors derived from actinomycetes" Biosci.Biotech.Biochem.10. 1754-1756 (1997)
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[Publications] Oyama,H.et al.: "Purification and characterization of a prolylendopeptidase from Psudomonas sp.KU-22" J.Ferm.Biocng.84. 538-542 (1997)