1997 Fiscal Year Annual Research Report
白血病細胞の分化と病型に特徴的なユビキチン化蛋白質の解析
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09267235
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高田 耕司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30179452)
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Keywords | ユビキチン / マルチユビキチン鎖 / プロテアソーム / 白血病細胞 / K562細胞 / 分化 / AML |
Research Abstract |
本年度の成果は以下の3点である。 1.マルチユビキチン化蛋白質の生成速度の解析 白血病細胞の分化が細胞内蛋白質のユビキチン化に与える影響を解析するため、対数増殖期および酪酸等で分化したK562細胞におけるマルチユビキチン鎖生成速度を求めた。その際、プロテアソーム阻害剤でマルチユビキチン化蛋白質の分解を抑え、その濃度の経時的変化を特異的ELISAで追跡した。結果、分化に伴い『細胞質の水溶性蛋白質』に対する同速度は有意に増加し、『細胞質と核の難溶性蛋白質』に対する同速度は激減した。また、対数増殖期の場合、後者の速度は熱ショックによって増加するが、分化に伴いこの性質も消失した。以上の結果から、ユビキチン化される主要な蛋白質群が分化と共に大きく変わると推定される。今後、分化や増殖に特徴的なマルチユビキチン化蛋白質を精製し、標的蛋白質を同定することで、その生物学的意義を明確にする。 2.マルチユビキチン化蛋白質の精製の検討 結合型ユビキチンに特異的なモノクローナル抗体FK2をアガロースゲルに導入しアフィニティーカラムを作成した。K562細胞抽出液(>10mg protein)のマルチユビキチン化蛋白質は、同カラム(1ml)にほぼ完全に吸着し、大半の夾雑蛋白質から分離された。また、これを3.5 M MgCl_2で溶出した画分には、常に元の40-50%のマルチユビキチン鎖が回収された。今後、精製標品から標的蛋白質を含む断片を得るための条件設定を進める。 3.OCI/AML la細胞のユビキチン抗体陽性蛋白質 急性骨髄性白血病の患者細胞とOCI/AML-la細胞の核分画から、9kDaと13kDaのユビキチン抗体陽性蛋白質を見出した。他の株化白血病細胞(HL-60、K562等)における両蛋白質の量は極めて少なかった。大量のOCI/AML-la細胞から抽出・精製を進める計画である。
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[Publications] Takada,K.: "Serum concentrations of free ubiquitin and multiubiquitin chains." Clin.Chem.43. 1188-1195 (1997)
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[Publications] Joh,K.: "Isolation and characterization of tubular basement membrane antigen common to humans and rats." Int.J.Mol.Med.1. 223-226 (1998)
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[Publications] 栗村 正之.: "ヒト全脳虚血における髄液ユビキチンの上昇について-虚血性脳症の神経学的予後推定のために-" 臨床神経学. 37. 963-968 (1997)