1997 Fiscal Year Annual Research Report
ホリデイ構造に特異的に結合する蛋白質によって誘起される交叉点部分の構造解析
Project/Area Number |
09269208
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
志田 敏夫 信州大学, 繊維学部, 助教授 (40162599)
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Keywords | ホリデイ構造 / RuvC / 合成DNA |
Research Abstract |
相同組換えの後期課程、すなわちホリデイ構造(HJ)が相同な2本の2本鎖DNAに分離する過程に特異的に働く酵素(RuvC)のホリデイ構造認識メカニズムを分子レベルで理解することを目的とした。ホリデイ構造の交叉点部分の塩基対形成の必要性や塩基置換の影響について調べた。 1)交叉点で塩基対を形成しないようにミスペア-を導入したホリデイ構造を用いた。 ATペア-のTをCに換えたACミスペア-の位置や数に影響されず実験したすべのHJがRuvCの基質になった。切断効率の低下がみられるものがあったが、C-G、C-C配列間で切断された。RuvCは本来はT-G、T-C配列を効率的に切断していて、T残基の重要性が示唆されていたが、T残基は酵素の認識に必須でないことが分かった。 ATペア-をGCペア-に変えたものは正常な塩基対を持っているにもかかわらず基質にならなかった。ATペア-のAをGにかえたGTミスペア-を交叉点にもつものもまったくRuvCの基質にならなかった。 2)交叉点部分のT残基をウラシル、5ブロモウラシル残基に置換したり、C残基を5メチルシチジンに置換したHJを基質として用いた。 いずれの場合にもメチル基の除去や付加、メチル基のプロモ基への置換などはRuvCによるHJの切断反応に影響を及ぼさなかった。 従来、RuvCによってホリデイ構造が切断されるためにはホリデイ構造にかなりの大きさの相同領域が必要と考えられてきた。しかし相同領域があることが絶対条件でなく、RuvC酵素はホリデイ構造の相同性を積極的に認識していないことが分かった。
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[Publications] Mitsuo Takayama: "A spectrometric method for determining the capability of intermolecular interaction" Nucleic Acids Symposium Series. 37. 31-32 (1997)
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[Publications] Toshio Shida: "Quadruplex formation of oligonucleotides containing G clusters and their nuclease resistance" Nucleic Acids Symposium Series. 37. 129-130 (1997)
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[Publications] Toshio Shida: "Characterization of telomeric oligonucleotides : fidelity of repetitive nucleotide sequences" Nucleosides & Nucleotides. 17(in press). (1998)