1997 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア感染と重症化における糖鎖の役割に関する研究
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09270205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高崎 誠一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80112093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 武弘 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30211866)
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Keywords | マラリア / 感染 / 種特異性 / 赤血球 / 糖タンパク質 / 糖鎖 |
Research Abstract |
マラリア原虫の感染には厳格な種特異性や発育段階に応じた宿主臓器特異性が認められる。本研究では、マラリア原虫(merozoite)の感染宿主である赤血球の細胞表面糖鎖の役割の解明を念頭において、先ずそれらの構造情報を得ることを目指した。 そのため異種の赤血球から膜ゴ-ストを調製し、糖タンパク質とその糖鎖の解析を行った。その結果、マウスの赤血球は、ヒトとは勿論のこと、ハムスター、モルモット等の他の齧歯類とも異なるO-結合型およびN-結合型糖鎖の発現パターンを示すことが判明した。糖鎖のこのような種による違いは、マラリア感染の種特異性との関連で興味がもたれる。今後、糖鎖の構造修飾や除去等を用いて原虫の赤血球感染や被感染、未感染赤血球間のロゼット形成における糖鎖の役割を解析していく上で、赤血球表面糖鎖の構造情報は、より焦点を絞った解析をする上で有効となろう。また、マラリア原虫と相互作用する赤血球膜上の糖鎖リガンドが明らかにされれば、原虫側の糖鎖認識タンパク質を同定することも可能となり、これらの分子を標的とする感染や重症化阻止の方法の開発に有用な指針を提供することになろう。 本研究の過程で、精度の高い糖鎖の微量解析法を確立することができた。その結果、マウス一匹から得られる血液1ml弱を出発材料にして、血球細胞膜の糖タンパク質に含まれるO-結合型およびN-結合型糖鎖の両方の構造情報を得ることが可能になった。この方法は、マラリア感染の実験モデルとして今後作製されてくる糖タンパク質や糖鎖を改変したノックアウトマウスやトランスジェニックマウスの赤血球表面糖鎖の解析に、有効に用いることができる。
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Research Products
(1 results)