1997 Fiscal Year Annual Research Report
新しいCTLA4結合分子、ACBMのcDNA単離とその機能解析
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09271201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 正晃 北海道大学, 免疫学研究所, 助手 (00250514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上出 利光 北海道大学, 免疫学研究所, 教授 (00160185)
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Keywords | T細胞 / 副信号 / CTLA4 / CD28 / B7-1 / B7-2 / ACBM / B細胞 |
Research Abstract |
T細胞の活性化はT細胞受容体からの信号と接着分子からの補助信号が必須である。我々は補助信号分子としてCD28/CTLA4を研究してきた。CD28/CTLA4は共通のリガンドであるB7-1/B7-2を持つ、T細胞上の分子である。CD28は静止期のT細胞から発現していて活性化のための副信号を伝達する。一方、CTLA4は活性化T細胞に発現誘導され、T細胞の不活性化を誘導する。本研究では新たに発見したB細胞上のCTLA4結合分子ACBMの機能解析とcDNAの単離を目的としている。新しいCTLA4結合蛋白を同定するために既知のリガンド、B7-1/B7-2と結合できない可溶性変異型CTLA4の作製を行った。この分子を用いて細胞株を検索し、結合できる細胞が新しいCTLA4結合蛋白を発現していると考えた。CD28/CTLA4の細胞外領域には動物間で高度に保存されたMYPPPYモチーフが存在したのでこのMYPPPYモチーフに点突然変異を加えていった。その結果、最後のPYをAに置換したPYAA変異体がB7-1/B7-2と結合できなかった。このPYAA分子の細胞外領域をIgG1のFc領域と結合させたPYAAIgGを作製し、細胞株を検索してマウス未熟B細胞株、WEHI231細胞に結合を認めた。WEHI231からACBM分子を免疫沈降すると130kDのホモダイマーであることが判明した。ACBMのcDNAを単離するためにCTLA4IgG/PYAAIgGを用いたアフィニティーカラムを作製した。しかし、CTLA4IgG/PYAAIgGの単体への共有結合後、ACBMとの結合が弱まり、目的よりかなり少量のACBMを精製できたのみであった。そのため、精製を続けるためには大量のCTLA4IgG/PYAAIgG分子が必要となり、アデノウイルスを用いた発現系を作製した。この発現系を用いてmgオーダーのCTLA4IgG/PYAAIgGを得ることが可能となり、ACBMの精製とあわせて、CD28/CTLA4-B7/ACBM信号の生体内での機能解析が可能となった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Murakami,M.: "Identification and characterization of an alternative CTLA4 binding molecule on B cells." Proc.Natl.Acad.Sci.,USA. 93. 7838-7840 (1996)
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[Publications] Inobe,M.: "The role of B7-la molecule,an alternatively spliced form of murine B7-1 (CD80),on T cell activation." J.Immunol.157. 582-588 (1996)
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[Publications] Yamada,A.: "Long-term acceptance of major histocompatibility complex-mismatched cardiac allograft induced by a low does of CTLA4IgM plus FK506." Microbiol.Immunol.40. 513-518 (1996)
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[Publications] Nakagawa,I.: "Persistent and secondary adenovirus-mediated hepatic gene expression using adenovirus vector containing CTLA4IgG." Human Gene Therapy. (in press).