1997 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞受容体によるMHCクラスII/抗原ペプチドの認識機構
Project/Area Number |
09271225
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
穂積 信道 東京理科大学, 生命科学研究所・生命工学技術研究部門, 教授 (60051744)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
房木 ノエミ 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (40278635)
今田 美恵 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (50291703)
|
Keywords | 自己免疫 / 自己免疫寛容 / トランスジェニックマウス / インスリン |
Research Abstract |
我々は、生理的水溶性自己抗原に対する、自己寛容の分子機構を解明する目的で、ウシインスリン(自己抗原)を発現するtransgenic(Tg)マウスを確立した。このTgマウスはウシ、ヒツジインスリンには寛容だが、ブタインスリンに対しては免疫応答を示す。ウシインスリンは膵臓のβ細胞以外の組織では発現しない。T細胞は寛容であるが、B細胞はこの自己抗原に対して免疫応答する。Tgマウスをウシインスリンで免疫し、7個のTハイブリッドを得て、ウシインスリン特異的TCRのレパトア-を解析した。しかし正常マウスでみられるTCRレパトア-に類似したものは、見出されなかった。Tgマウスでは、ウシインスリンに対して、高いアフィニテ-を有するT細胞は、クローン除去されるものと推測される。さらに、TgマウスのあるT細胞の分画は、ウシインスリンに対してアナ-ジ-になっていることが示唆された。またTgマウスから、ウシインスリンで免疫しTクローンを得た。殆どのクローンはTh2タイプであり、しかもその30%のTクローンはadoptive transfer実験により、抗原特異的免疫応答抑制活性を持つregulatory T細胞(Tr)であることが、明らかとなった。これらの結果はインスリンに対する自己寛容には、クローン除去、アナ-ジ-、active suppressionのメカニズムが機能し、自己免疫を制御しているものと思われる。さらにTrはバイスタンダーサプレッション活性も有することがわかった。現在、我々はTrの免疫抑制のメカニズムを明らかにするため、研究を続けている。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Wu Y., et.al.: "Role of calnexin and Ig-α / β interactions with membrane immunoglobulins in the surface expression of the B cell antigen receptor of the IgM and IgD classes" J.Immunol.158. 2762-2770 (1997)
-
[Publications] Bast D., et.al.: "Murine antibody response to the verotoxin 1B subunit." Infection and Immunity. 65. 2978-2982 (1997)
-
[Publications] Dessureault S., et.al.: "Physiologic human T cell response to OKT3 in the Hu-PBL-SCID mouse model." Transplantation. 64. 811-816 (1997)
-
[Publications] Nguyen H., et.al.: "Production of human monoclonal antibodies in SCID mouse model." Microbiol.and Immunol.41. 901-907 (1997)
-
[Publications] Sandhu J., et.al.: "Human Gene Therapy" Critical Rev.Biotechnol.17. 307-326 (1997)
-
[Publications] Yoshikawa M., et.al.: "Mechanism of hepatocellular injury" J.Gastroenterol.and Hepatol.12. 243-248 (1997)
-
[Publications] Hozumi N.: "Encyclopedia of Immunology" Academic Press (in press) (分担), (1998)