1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜情報交換系の構造、機能解析と個体レベルでの役割
Project/Area Number |
09273105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 厚 京都大学, 薬学研究科, 教授 (10025695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
宮崎 忠昭 東京大学, 医学部, 助手 (60272431)
佐藤 公道 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80025709)
芳賀 達也 東京大学, 医学部, 教授 (30011646)
牛首 文隆 京都大学, 医学研究科, 講師 (50243035)
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Keywords | 情報伝達 / プロスタグランジン受容体 / オピオイド受容体 / G蛋白共役型受容体 / インターロイキン2受容体 / ミドカイン / ベイシジン / 自己免疫生疾患 |
Research Abstract |
本年度の研究計画に従い以下のような研究成果を得た。 1.プロスタノイド受容体に関し、プロスタノイド受容体第3膜貫通領域がプロスタノイドの5員環を認識し、第6、7膜貫通領域が側鎖の二重結合を認識することをDP/IPキメラ受容体で明らかにした(牛首)。 2.EP受容体サブタイプを用い、受容体のC末端鎖がG蛋白の識別と活性の制御に重要であり、その制御の一部は第7膜貫通領域にあるアルギニン残基とPGのカルボン酸との相互作用により生じること、さらに、アルギニン残基とPGE2のカルボン酸との結合において、水素結合がGi活性を、イオン結合がGs・Gq活性を制御することを明らかにした(市川)。また、FP受容体とIP受容体の欠損マウスを作製しその病態生理を明らかにした(市川、牛首)。 3.オ-ハント受容体の内因性リガンドの探索に関して、κオピオイド/ノシセプチンキメラ受容体のリガンド結合サイトとκオピオイドリガンド双方の段階的修飾を行うことにより、最終的にフィットする非ペプチド性リガンドの創製を行う方法論の検証を行った(佐藤)。 4.Gi共役型受容体の内因性リガンドの探索をするために、キメラGs-Gi/Goα蛋白-CRE発現細胞を構築し、モデル実験としてムスカリン受容体M2を共発現させる方法の妥当性を証明した(芳賀)。 5.キナーゼ型受容体と受容体修飾キナーゼ間の情報伝達の制御に関し、IL-2の細胞増殖制御シグナルのJak3キナーゼの下流は、stat5ではなく、pyk2であることを発見した(宮崎)。 6.ミドカインの神経誘導シグナルはアクチビンとのクロストークであり、欠損マウスは歯状回の遅延を起こすことを発見した。ベイシジン欠損マウスは雄生殖生理に異常が起こりその原因を解明した(村松)。 7.自己免疫性脳脊髄炎モデルマウスを用い、NK細胞が自己免疫疾患の調節性細胞であることを証明した(田平)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sugimoto,Y., et.al.: "Failure of Parturition in Mice Lacking the Prostaglandin F Receptor." Science. 277. 681-683 (1997)
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[Publications] Murata,T., et.al.: "Altered pain perception and inflammatory response in mice lacking prostacyclin receptor." Nature. 6643. 678-682 (1997)
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[Publications] Kobayashi,Y., et.al.: "Identification of domains confering ligand binding specificity to the prostanoid receptor ; Studies on chimeric prostacyclin/prostaglandin D receptors." J.Biol.Chem.272. 15154-15160 (1997)
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[Publications] Tsuga,H., et.al.: "Internalization and down-regulation of human muscarinic acetylcholine receptor m2 subtypes : role of third intracellular m2 loop and G protein-coupled receptor kinase 2." J.Biol.Chem.(in press). (1998)
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[Publications] Endo,T.,A., et.al.: "A new protein containing an SH2 domain that inhibits JAK kinases." Nature. 387. 921-924 (1997)
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[Publications] Yokota,C., et.al.: "Midkine counteracts the activin signal in mesoderm induction and promotes neural formation." J.Biochem.(in press). (1998)