1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09273202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 淳一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90221241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 正史 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (10261322)
繁森 英幸 北海道大学, 薬学部, 助手 (70202108)
石橋 正己 千葉大学, 薬学部, 教授 (90212927)
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Keywords | 天然物 / Ca^<2+>遊離 / カフェイン / β-カルボリンアルカロイド / 結合蛋白質 / アフィニティカラム / フォトアフィニティ / MBED |
Research Abstract |
細胞内Ca^<2+>貯蔵部位(筋小胞体)からCa^<2+>が遊離する現象は、細胞の多様な生理機能発現の制御に係わる重要なステップである。Ca^<2+>遊離チャネルとしてはリアノジンリセプターならびにIP3リセプターが知られているが、これらのチャネルだけではCa^<2+>遊離に係わる種々の生理作用が十分に説明できないため、新しいCa^<2+>遊離チャネルとそれに係わる調節機能の存在が強く示唆されている。一方、筋小胞体のCa^<2+>遊離を促進する低分子化合物としてカフェインが知られているが、その作用は弱く、カフェインによるCa^<2+>遊離機構についてはいまだに解明されていない。 我々はこれまでに、Eudistoma属のホヤから分離した数種のβ-カルボリンアルカロイドが筋小胞体のCa^<2+>遊離を顕著に促進することを見い出し、その構造活性相関の検討により、強力な筋小胞体Ca^<2+>遊離促進物質として、7-メチルユ-ジストミンD(BED)と9-メチル-7-ブロモユ-ジストミンD(MBED)の開発に成功した。これまでの作用機序の解析からBEDとMBEDは、カフェインと同じ結合部位に結合し、かつカフェインの各々100倍および1000倍強力なCa^<2+>遊離促進作用を示すことが判明した。さらに構造活性相関を検討した結果、BEDやMBEDによるCa^<2+>遊離促進活性にはピリジン環のN原子の存在が重要であり、N原子のないカルバゾール誘導体(たとえば4,6-ジブロモ-3-ヒドロキシカルバゾール(DBHC))では、強力なCa^<2+>遊離阻害作用を示すことが明らかとなった。現在、9位メチル基を^3Hで標識した〔^3H〕-MBEDを合成し、各種の筋細胞や中枢細胞の(筋)小胞体における結合蛋白質を検索するとともに、結合蛋白質の分離、同定、ならびに結合部位の特定を行う目的で、BEDならびにMBEDをリガンドとしたアフィニティカラムおよびフォトアフィニティ誘導体の合成を検討中である。
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Research Products
(1 results)