1997 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナーゼカスケードにおけるワ-トマニン感受性標的分子の探索
Project/Area Number |
09273213
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫨木 修 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80142751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60212122)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Keywords | イノシトールリン脂質3-キナーゼ / ワ-トマニン |
Research Abstract |
イノシトールリン脂質3キナーゼを活性化する様々な受容体刺激がMAPキナーゼの活性化を導き、また、イノシトールリン脂質3キナーゼの強力な阻害薬であるワ-トマニンがMAPキナーゼの活性化を抑制するとの現象が知られている。しかし、このワ-トマニンの作用はイノシトールリン脂質3キナーゼ阻害に基づかないと報告されている。本研究では、放射標識をおこなったワ-トマニン誘導体を有効に用いることによって、この場合のワ-トマニン標的分子を明らかにすることを企図していた。上記の報告は、ある種のドミナントネガティブ型のイノシトールリン脂質3キナーゼの発現が、ワ-トマニン様の作用を示さないとの観察結果に基づくものである。しかし、今回、イノシトールリン脂質3キナーゼを活性化できない変異PDGF受容体や活性型変異イノシトールリン脂質3キナーゼを用いた解析結果から、少なくともCHO細胞においては、MAPキナーゼの活性化機構におけるイノシトールリン脂質3キナーゼの役割を否定できなかった。今後、ワ-トマニンのMAPキナーゼ活性化抑制作用の発現におけるイノシトールリン脂質3キナーゼ阻害効果の寄与の程度を明らかにしたいと考えている。また、この場合、ワ-トマニンの作用はMAPキナーゼ上流に位置することが報告されているRasの活性化阻害を伴うものであり、その分子機構の解明が今後の重要な課題である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Tsujimoto, et al.: "Potentiation of chemotactic peptide-induced superoxide generation by CD38 ligation in human myeloid cell lines." J.Biochem.121. 949-956 (1997)
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[Publications] H.Kurosu, et al.: "Heterodimeric phosphoinositide 3-kinase consisting of p85 and p110β is synergistically activated by the βγ subunits of G proteins and phosphotyrosyl peptide." J.Biol.Chem.272. 24252-24256 (1997)
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[Publications] S.Inoue, et al.: "Protein-tyrosine phoshporylation by IgG1-subclass CD38 monoclonal antibodies is mediated through stimulation of the FcγII receptors in human myeloid cell lines." J.Immunol.159. 5226-5232 (1997)
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[Publications] 櫨木 修: "イノシトールリン脂質3キナーゼ" 蛋白質核酸酵素. 42. 394-402 (1997)