1997 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性種一酸化窒素のバイオイメージング法の開発と生体系への応用
Project/Area Number |
09273216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長野 哲雄 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (20111552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 恒彦 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (50173159)
増野 匡彦 共立薬科大学, 助教授 (90165697)
太田 茂 広島大学, 医学部・薬学科, 教授 (60160503)
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Keywords | 一酸化窒素 / バイオイメージング / 内皮細胞 / マクロファージ / プローブ / 蛍光法 |
Research Abstract |
一酸化窒素合成酵素から生成する一酸化窒素は循環器系,免疫系,神経系などで多様な生理作用を示す事が明らかになりつつあるが,神経系においてはその真の作用機序は未だ混沌としており,議論の対象となっている.この原因の一つに常温で気体,かつ不安定なラジカル種である一酸化窒素を細胞内・組織中で刻々の時間変化に応じて的確に捉える手段がないことが挙げられる.本研究ではこの点を明らかにするために,すなわち一酸化窒素の細胞内・生体組織中での動態を解析するために,一酸化窒素のバイオメ-ジング法を開発することを目的に行われている. 本年度の成果は蛍光法で一酸化窒素を捉える新親プローブ剤DAFを開発したことである.このDAFは刺激した細胞中からの一酸化窒素の検出に有用であるだけではなく,化学的に修飾したDAF-DAを用いることにより血管内皮細胞中から一酸化窒素を蛍光顕微鏡下,画像として検出することが可能である.具体的にはマクロファージ,メサンギウム細胞,内皮細胞,神経組織を用いた細胞系で成功している.一酸化窒素の検出測定法は各種報告されているが,いずれも欠点を有し,バイオイメージングの目的に叶うものはない.DAFは独自に開発されたもので,本方法の開発によりこの分野の研究に大きな進展をもたらすことは疑いない. 次年度以降はpHの影響が少なくかつ励起光が生体に障害を与えない長波長領域の吸収を持った高機能性蛍光プローブの開発を行う予定である.さらに適用例として大脳組織切片,小脳組織切片における種々の刺激に対応した一酸化窒素の生成量,生成部位を明らかにすることになる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takeshi Hamano: "Singlet Oxygen Production from Fullerene Derivatives : Effect of Sequential Funitionaligation of Fullerene Core" Chem.Comm.21-22 (1997)
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[Publications] Hirotatsu Kojima: "Development of a Fluorescent Indieator for Bioimaging of Nitric Oxide" Biol.Pharm.Bull.20. 1229-1232 (1997)
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[Publications] Mitsutoshi Satoh: "Inhibitory Effects of a Fullerene Derivative,Dimalonic Acid C60,on Nitrit Oxide-Induced Relaxation of Rabbit Aorta" European Journal Pharmacology. 327. 175-181 (1997)
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[Publications] Yasuteru Urano: "Pronounced Axial Thiolate Ligand Effect on the Reactivity of Highvaleut Oxo-iron Porphyrin Intermediate" J.Am.Chem.Soc.119. 12008-12009 (1997)
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[Publications] Hirotatsu Kojima: "Real-time Measurement of Nitric Oxide Production in Rat Brain by the Combination of Luminol-H_2O_2 Cnemiluminescence and Microdialys" Neuroscience Letters. 233. 157-159 (1997)
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[Publications] Naoki Umezawa: "Participation of Reaetive Oxygen Species in Photoclermatosis Induced by Quiuolone Antibacterial Agents" Arch.Biochem.Biophys.342. 275-281 (1997)