1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09275101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅島 誠 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00090564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 謙一 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (20037394)
江口 吾朗 熊本大学, 教授(学長) (80022581)
井出 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
上野 直人 基礎生物学研究所, 発生生物学研究系, 教授 (40221105)
黒岩 厚 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20134611)
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Keywords | ボディープラン / シグナル分子 / 形質形成遺伝子 / 転写調節 / 細胞内情報伝達 / パターン形成 / 初期発生 / 肢芽形成 |
Research Abstract |
この重点領域「ボディープラン」は、今年度発足して一年目であるが、計画班員が中心に公募班員も含めて、非常にアクティブに研究が進められている。シグナル分子班では、アクチビンやBMP、FGF、Wnt、インターロイキン、chordin、shh、nogginなど動物の初期発生に関わる細胞内情報伝達のしくみと、各々のファミリーに属する新現の遺伝子がクローニングされ、機能解析がなされた。その結果、それらの遺伝子群は単独で細胞分化や形態形成に関与しているというよりは、むしろ相互のネットワーク上に結びつけられてフィードバックシステムの上にあることも、次第に明らかになってきている。この班においては、脊椎動物だけでなく遺伝子解析が進んでいるショウジョウバエや線虫、ホヤなどの無脊椎動物において、解析が進められている研究成果も積極的に取り入れて、動物の初期発生におけるボディープランの理解を更に深めている。一方、形態形成遺伝子班は、様々な種類と発現様式をもつホメオボックスの詳細な研究に一段と進み、初期発生や、肢芽形成、神経形成などの分野で、新しい知見が見つけられている。またbHLHやOtxなどにおいても解析が一段と進み、それらの形態形成遺伝子を制御する上流および下流の遺伝子の解析がなされた。そして、これらの形態形成をもつかさどる転写遺伝子群は、胚発生過程で時間的空間的にコーディネートされていることが、いくつかの遺伝子、例えばポリコ-ム遺伝子Mel、Xlim、Msx、inv、Pax-6などでも明らかになってきている。このことは、更に発生や肢芽形成などのパターン形成や細胞分化とも直接に結びついていることがノックアウトマウスやドミナントネガティブなどの研究からも明らかにされてきている。このようなシグナル分子班も形態形成遺伝子班も、着実にかつ発展的にその成果を上げているといえる。この班について、今年度2回の班員による発表会と総括班会議が開催され、総括班員の評価委員の先生からは極めてレベルの高い、勢いのある研究領域であり、これが本来の重点領域研究のあり方であるとの発言であり、ここから、今後、世界に向けてオリジナリティーの高い研究成果を発信してほしい、との一年目の評価をいただいた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Malacinski,G.M.et al.: "An Essay on the Similarities and Differences Between Inductive Interactions in Anuran and Urodele Embryos." Cellular and Molecular Life Science. 53. 410-417 (1997)
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[Publications] Mizuno,T.et al.: "Mesoderm induction in zebrafish embryo." Nature. 383. 131-132 (1997)
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[Publications] Natsume,T.et al.: "Interaction between soluble type I receptor for bone morphogenetic protein and bone morphogenetic protein-4." J.Biol.Chem.272. 11535-11540 (1997)
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[Publications] Endo,T.et al.: "Shh expression in developing and regenerating limb buds of Xenopus laevis." Developmental Dynamics. 209. 227-232 (1997)
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[Publications] Ogurusu,T.et al.: "Localization of gamma-aminobutyric acid(GABA)receptor rho 3 subunit in rat retina." Neuroreport. 8(4). 925-927 (1997)
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[Publications] K.Okubo, et al.: "Monitoringcell physiology by expression profiles and discovering cell type-specificgenes by compiled expression profiles." Genomics. 30. 178-186 (1997)
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[Publications] M.Asashima et al.: "Taniguchi Symposium on Developmental Biology IX" SEIKO Inc.ed.by T.S.Okada, 101 (1997)
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[Publications] Okano,H.et al.: "The regulatory mechanisms of neural development:roles of cell-autonomous and non cell-autonomous cues on cell fate decisions" Frontiews of Neural Development Springer-Verlag, 168 (1997)