1997 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロゾーム型アルデヒド脱水素酵素の小胞体膜挿入機構
Project/Area Number |
09276235
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
柾木 龍一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70140283)
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Keywords | ミクロゾーム型アルデヒド脱水素酸素 / in vitro転写・翻訳系 / ミクロゾーム膜挿入 / 翻訳後挿入 / msALDH |
Research Abstract |
小胞体に局在するC-末端アンカー型膜蛋白質であるミクロゾーム型アルデヒド脱水素酵素(msALDH)の膜挿入機構をin vitro転写-翻訳系を用いて解析し、以下の結果を得た。 1.msALDHのC-末端にウシ・オプシンの糖鎖付加配列部分を融合したALDH/OP3キメラをウサギ網状赤血球ライセ-ト系で翻訳した。ALDH/OP3は生合成後にイヌ膵臓粗面小胞体膜(RM)挿入された。 2.RMに組み込まれたALDH/OP3にはEndo H感受性の糖鎖が付加された。また、界面活性剤の有無に関わらずALDH/OP3はProteinase Kにより消化された。このことから、in vitroでRMに挿入されたALDH/OP3はin vivoと同じ膜トポロジーを示すことが明らかになった。 3.大腸菌のマルトース結合蛋白質(MBP)にALDH/OP3のC-末端56アミノ酸残基(msALDHの小胞体移行配列と膜貫通領域およびウシ・オプシンの糖鎖付加配列部分を含む)を融合したMBPALOP3も翻訳後にALDH/OP3と同様の膜トポロジーでRMに組み込まれた。 4.ALDH/OP3とMBPALOP3のRM挿入にはATPとRM上のトリプシン感受性因子が必要だった。 5.大腸菌から調整した組み換え体MBPALOP3はALDH/OP3とMBPALOP3のRMへの組み込みを阻害した。 これらの結果は、ALDH/OP3,MBPALOP3のRM挿入にシグナル認識粒子が関与する機構とは異なる機構が関与していることを示唆している。
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