1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09277228
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
藤沢 淳子 国立精神・神経センター, 神経研究所, 室長 (60209038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗崎 知浩 国立精神, 神経センター・神経研究所, COE研究員
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Keywords | メルトリン / メタロプロテアーゼ / ディスインテグリン / 発生生物学 / 細胞分化 / 間葉細胞 / 筋形成 / 形態形成 |
Research Abstract |
メルトリンα、β、γはメタロプロテアーゼ-ディスインテグリンに属する膜タンパク質として我々がクローニングした遺伝子群であるが、Northern Blottingで、骨格筋、骨でその転写産物の高発現がみられることから、それらの器官形成におけるメルトリン遺伝子群の役割・転写因子と細胞間相互作用のネットワークを考える足がかりとして、まず、それらのマウスの発生における発現を、in situ hybridizationで調べた。その結果、各々の遺伝子がある限られた時期に、固有の発現パターンを示すことがわかってきた。 メルトリンαは、筋系列、骨系列、内臓間葉系細胞において、マウスの8.5日胚頃から特異的な発生時期・部位で発現する。鰓弓骨格を生ずる顎弓・舌弓、筋細胞を生ずる体節や筋管の周囲、および腸管や肺上皮のまわりに凝集した内臓系間葉細胞などがそれである。13.5日胚頃からは骨形成細胞(骨芽細胞の前駆細胞)の現われる軟骨のまわりや骨膜、また頭骸骨で高レベルの発現が見られる。このような発現パターンから、メルトリンαは、間葉細胞の凝集・分化などの過程に必要なタンパク質であろうと考えられた。一方、メルトリンβは、骨髄細胞、三叉神経節や脊髄神経節などでそれらが形成される時期に発現が誘導されることがわかった。 一方、Gene targetingによるメルトリンα、β、γ遺伝子の欠失マウスを作成し、個体レベルにおけるメルトリン遺伝子群の機能を探ろうとしている。現在、メルトリンαに関してはホモ組換えマウスを得つつある。また、細胞レベルにおけるメルトリンの機能を検討し、メルトリンαが、筋・骨などの間葉細胞の分化の制御に関わっていることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Kurisaki et al.: "Spatially-and temporally-restricted expression of meltrinα and β in mouse embryo." Mechanisms of Developmet. (in press). (1998)
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[Publications] T.Katagiri et al.: "Bone morphogenic protein-2 inhibits terminal differentiation of myogenic cells by suppressing the transcriptional activity of MyoD and myogenin.Exp.Cell" Experimental Cell Research. 230. 342-351 (1997)