1997 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質生合成の最終過程を司るリボソーム再生因子(RRF)の立体構造解析
Project/Area Number |
09278220
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 祐次 大阪大学, 薬学部, 教授 (20127228)
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Keywords | RRF / リボソーム / 蛋白質生合成 / 翻訳終結 / NMR |
Research Abstract |
従来の蛋白質生合成系の研究においては、翻訳の開始-伸長-終結の各段階に比べて、翻訳終結後のリボソーム-mRNA複合体の運命についてはあまり注目されていなかったが、近年この複合体を解離させるのに不可欠な蛋白質因子であるリボソーム再生因子(RRF)の存在が解明され、関心をもたれている。このリボソーム再生過程は、蛋白質生合成系の効率を維持するのに必須であり、遺伝子の発現制御にも関与していると思われる。しかし現在のところRRFの機能の分子論的メカニズムについては未知の点が多い。そこでRRFによるリボソーム-mRNA複合体の認識機構と、解離促進の機構について明らかにするため研究を行った。得られた成果として、 1、大腸菌を用いたRRFの大量発現系を構築した。その結果NMR測定に不可欠な安定同位体標識した試料が容易に得られるようになった。また得られた試料を用い、NMR測定条件を検討したところ、適した条件を見つけることができた。 2、HNCACB、CBCA(CO)NHといった各種の多核多次元NMR法を適用することによって、RRFの主鎖原子核の大部分について化学シフトを同定することができた。それによって、二次構造に関する知見が得られた。またNOE、J結合定数などの測定により、構造情報を収集することができた。 3分析用超遠心機(沈降平衡法)を用いてRRFとEF-Gとの相互作用を解析した。
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[Publications] Hiroaki Gouda: "Solution structure of α-conotoxin MI determined by H-NMR spectroscopy and molecular dynamics simulation with the explicit solvent water" BIOCHIMICA ET BIOPHYSICA ACTA. 1343. 327-334 (1997)
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[Publications] H.Takashima.: "Solution Structure of Neocarzinostatin Determined by Homonuclear Two-Dimensional Nuclcar Magnetic Resonance." Neocarzinostatin:The Past,Present,and Future Anticanccr Drug. 83-107 (1997)
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[Publications] S.Uchiyama: "Mcasurcment of thermodynamic quantities in the heating-rate dcpendent thermal transitions of sequenced polytripeptides" Chemical Physies Letters. 281. 92-96 (1997)
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[Publications] Naoyoshi Chino: "Topological isomers of human uroguanylin:interconversion between biologically active and inactive isomers" FEBS letters. 421. 27-31 (1998)