1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09279216
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
本多 元 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20192742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 孝一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10120346)
羽鳥 晋由 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00283036)
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Keywords | アクチン / ミオシン / 滑り運動 / ATPase / 協同性 / モーター蛋白質 / レール蛋白質 / ゆらぎ |
Research Abstract |
生体中でアクトミオシンが示す滑り運動は互いに柔軟な蛋白質の相互作用によって実現している。この滑り運動を、化学力学エネルギー変換装置として据えたとき、化学反応の協同性と機械的変化の協同性の二つの協同性があることが示唆される。この時、モーター蛋白質とレール蛋白質がそれぞれ異なった協同作用を担って全体として滑り運動を実現しているという立場から、これらの協同作用の特徴を調べることが本研究の主題である。このうち,機械的変化の協同性について、際立った発見が二つあった。まず一つは、化学エネルギーが十分にないとき、運動に滑らかな協同性は見られず、運動と停止を繰り返すということ(Staggered movement of an actin filament sliding on myosin molecules in the presence of ATP:Biophys.Chem.2394,(1998)in press)。もう一つは、化学エネルギーが十分にあるとき、運動中のレール蛋白質繊維は常温水中での揺らぎからは想像も出来ないほどの大きな機械的歪みを受けているという事実である。更に、この歪みは運動方向に沿って伝播していることもわかり、この歪みの伝播こそ機械的協同性の本質であると考えられる(論文準備中)。 また、化学反応の協同性については、レール蛋白質の特定のアミノ酸を架橋することにより、分子内の機械的振動を押さえることで化学力学共役を脱共役させることに成功している。
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[Publications] Kuniyuki,H.: "Staggered movement of an actin filament sliding on myosin molecules in the presence of ATP" Biophysical Chemistry. (印刷中). (1998)
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[Publications] 田村真理: "調節DMS架橋アクチン繊維のATPase活性" 生物物理. 37. S209 (1997)
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[Publications] 本多元: "トロポニン・アクチン複合体はカルシウムの調節を受けるか" 生物物理. 37. S210 (1997)
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[Publications] 羽鳥晋由: "低ATP濃度下でのアクチン繊維の不連続な運動" 生物物理. 37. S211 (1997)