1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子による中枢神経細胞死の防御における細胞内シグナルの解析
Project/Area Number |
09280221
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畠中 寛 大阪大学, 蛋白質研究科, 教授 (60208519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池内 俊彦 大阪大学, 蛋白質研究科, 助教授 (20093362)
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Keywords | アポトーシス / PI3キナーゼ / BDNF / ニューロトロフィン / Trkレセプター / インスリンレセプター基質 / チロシンリン酸化 / 高カリウム培地 |
Research Abstract |
我々は従来から、ニューロトロフィンによって引き起こされる細胞内シグナル伝達機構に注目し、モデルニューロンであるPC12細胞におけるNGF等による分化誘導作用には、Ras-MAPキナーゼ(MAPK)経路の持続性が深く関わっていることを示し、また、初代培養小脳顆粒細胞における低カリウム培地によるアポトーシス(プログラム細胞死)をBDNFおよび高カリウム培地が抑制することを見いだしてきた。今年度は、この培養小脳顆粒細胞における低カリウム培地によるアポトーシスに対するBDNFや高カリウム培地による生存維持(細胞死抑制)作用にはphosphatidylinositol 3-kinase(PI3-キナーゼ、PI3-K)が関与していることを見いだし、さらにそのPI3-Kの下流のシグナル伝達経路を解析した。PI3-Kの下流においては、p70^<S6K>は生存維持作用には関与しておらず、恐らくAktキナーゼ及びそこから起因する経路が生存維持作用をもたらしているであろうことを示唆した。現在、Aktキナーゼの下流の経路についても、解析を進めている。一方、PI3-Kの上流のシグナル伝達経路については、TrkレセプターによってPI3-Kが活性化される機構として、従来、PI3-Kのp85サブユニットがチロシンリン酸化されたTrkレセプターに直接結合して活性化されるのか、間接的に別のチロシンリン酸化蛋白質に結合して活性化されるのか不明であった。我々は、培養大脳皮質神経細胞におけるBDNFによるPI3-Kの活性化には、IRS-1(insulin receptor substrate-1)とIRS-2が働いていることを明らかにした。さらに、PI3-Kに結合する数種類のチロシンリン酸化蛋白質を見いだし、解析中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 榎戸 靖: "The Xeroderma Pigmentosum group A (XPA) gene in involve in UV-induced but not low K^+ medium-induced apoptosis of cultured cerebellar neurons." J.Neurochem.69. 246-251 (1997)
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[Publications] 下家 浩二: "Involvement of phosphatidylinositol-3 kinase in prevention of low K^+-induced apoptosis of cerebellar granule neurons." Dev.Broan Res.101. 197-206 (1997)
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[Publications] 佐藤託美: "Changes in mitochondrial membrane potential during oxidative stress-induced apoptosis in PC12 cells." J.Neurosci.Res.50. 413-420 (1997)
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[Publications] 茜谷 行雄: "Brain-derived neurotrophic factor enhances long-term potentiation in rat visual cortex." J.Neurosci.17. 6707-6716 (1997)
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[Publications] 山田雅司: "IRS-1 and-2 are tyrosine phosphorylated and associated with phosphatidy-linositol 3-kinase in response to BDNF in cultured cerebral cortical neurons." J.Biol.Chem.272. 30334-30339 (1997)
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[Publications] 酒井直人: "Brain-derived neurotrophic factor potentiates spontaneous Ca^<2+> oscillations in cultutured hippocampal neurons." Bram Res.778. 318-328 (1997)
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[Publications] 小林 繁: "絵とき脳と神経の科学" オーム社, 202 (1997)
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[Publications] 畠中 寛: "神経細胞培養法" シュプリンガー・フェアラーク東京, 347 (1997)