1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09281102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 良三 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60207975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋島 陽一 京都大学, 大学院・腫瘍生物学, 教授 (60108024)
東山 繁樹 大阪大学, 医学部・基礎生体情報学, 助教授 (60202272)
堀越 正美 東京大学, 細胞分子研究所, 助教授 (70242089)
森下 竜一 大阪大学, 大学院・医学系研究科・遺伝子治療学, 助教授 (40291439)
高橋 克仁 大阪府立成人病センター, 主任研究員
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Keywords | 平滑筋 / 形質変換 / 転写因子 / klotho / クロマチン転写 / HB-EGF / カルポニン |
Research Abstract |
動脈硬化病変では、平滑筋特異的な遺伝子の発現が抑制され、胎児期平滑筋で発現する遺伝子発現が亢進する。本計画の第一の目標として、平滑筋特異的転写調節機構と、平滑筋が合成型へ形質変換する際の遺伝子転写機構を明らかにする。第二の目標として血管平滑筋の形質変換を制御する増殖ならびに増殖抑制因子の細胞内情報伝達系を明かにする。第三の目標として、高効率の遺伝子導入法を用いて、動脈硬化の成因解明と平滑筋遺伝子の血管系における機能解明を目指す。永井はSMemb遺伝子の転写因子Hexの機能を解析した。Hexによる転写活性化にはSMembプロモーター上の-470に存在するcAMP反応エレメント(CRE)の存在が必須であった。さらにCRE結合蛋白(CREB)をリン酸化するA-キナーゼは、HexによるSMembプロモーター活性増強作用を相乗的に増加させた。堀越はクロマチン構造変換反応の中心的な役割を担う新規ヒストンシャペロンCIAを単離、解析し、これが組織特異的、発生特異的に発現することを明らかにした。その中で、ヒストンシャペロン因子CIAは裸のDNAからの転写反応で中心的因子であると考えられた。東山はHB-EGFの膜結合型から遊離型への変換を司る酵素の阻害剤をスクリーニングし、数種の合成化合物を得た。これは動脈損傷モデルで著明に内膜肥厚を抑制した。鍋島はKlotho蛋白の機能解析をおこなった。(1)膜型、分泌型を発現するアデノウイルスにより両者が機能分子であることが示唆された。(2)nullノックインマウスを作成し、その変異表現型を解析した。(3)ヒト腎不全患者でのKlotho遺伝子の顕著な発現低下を確認した。(4)DNAアレイの利用、掛け合わせ実験より発症関連遺伝子に関するデータを得た。高橋はヒトカルポニン遺伝子とそのホモログであるSM22遺伝子プロモーターをCre/loxP発現制御系を用いて内皮細胞と平滑筋細胞で解析し、いずれも平滑筋細胞に極めて特異性の高いプロモーターであることを明らかにした。森下は、動脈硬化を"転写因子疾患"として捉え、デコイ法を用いて転写因子の関与を検討した。本年度はブタ冠動脈バルーン障害モデルを用いたE2Fデコイの再狭窄抑制効果とサルにおける安全性の検討を行った。金田はHVJ-liposomeに抗体を付加した標的融合リポソームを開発した。抗Thy-1抗体を用い腎メサンジウムヘの標的化に成功し、NFkB decoyの腎炎ラットヘの注入により腎炎が抑制された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tanaka T, et al.: "Inducible expression of manganese superoxide dismutase by phorbol 12-myristae 13-acetate is mediated by Sp1 in endothelial cells"Arterioscler Thromb Vasc Biol. (in press).
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[Publications] Suzuki T, et al.: "Rgulation of interaction of the acetyltransferase region of p300 and the DNA-binding domain of Sp1 on and through DNA binding"Genes Cells. 5. 29-42 (2000)
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[Publications] Yokosaki Y, et al.: "The integrina9b1 binds to a novel recognition sequence (SVVVGLR) in the thrombin-cleaved amono terminal fragment of osteopontin"J Biol Chem. 274. 36328-36334 (1999)
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[Publications] Ohyama Y, et al.: "Molecular cloning of Rat klotho cDNA : markedly decreased expression of klotho by acute inflammatry stress"Biochem Biophys Res Comm. (in press).
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[Publications] Matsushita H, et al.: "Transfection of antisense p53 tumor suppressor gene oligodeoxynucleotides into rat carotid artery resulted in abnormal growth of vascular smooth muscle cells"Circulation. (in press).
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[Publications] Kaneda Y, et al.: "Enhancement of transgene expression by cotransfection of oriP plasmid with EBNA-1 expression vector. Hum"Gene Ther. 11. 471-479 (2000)