1997 Fiscal Year Annual Research Report
非線形偏微分方程式に現われる特異性の解明と漸近的方法
Project/Area Number |
09304019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
俣野 博 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40126165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 英二 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (80174548)
山本 昌宏 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50182647)
堤 誉志雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10180027)
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
三村 昌泰 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50068128)
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Keywords | 非線形偏微分方程式 / 無限次元力学系 / 解の爆発 / 拡散方程式 / 順序保存力学系 / 大域アトラクター / 進行波 / 自由境界 |
Research Abstract |
本研究課題に関連して,以下の成果が得られた. (1)半線形拡散方程式の大域アトラクターの研究:ある種の非線形拡散方程式は,これを無限次元力学系と見なすことができる.その力学系の構造を探ることで,解の複雑な挙動がしばしば大域的視点から把握しやすくなる.俣野は最近,S^1上で定義された拡散方程式が生成する力学系の大域アトラクターの構造について新しい結果を得ることができた. (2)退化した拡散方程式が生成する無限次元力学系の研究:退化した拡散方程式の解の挙動は,非退化型の方程式の解の挙動と大きく異なっていることはよく知られているが,これまでその違いを力学系の立場から扱った研究は少なかった.俣野は,porous-media型の退化拡散方程式の場合,不安定平衡解u=0の不安定多様体のハウスドルフ次元が常に有限であることを明らかにした.非退化型の方程式の場合は,空間領域が有界なら不安定多様体の次元は有限であることが知られているので,本研究の結果は,退化型と非退化型方程式の違いを,力学系の構造という観点から特徴づけられたものといえる. (3)順序保存力学系の理論とその応用:順序保存力学系の理論は1980年代に飛躍的に進歩した.最近になって群が作用する順序保存力学系の理論が注目されるようになっている.俣野は,既存の理論を大幅に一般化し,それを用いた新たな応用分野(曲面の発展方程式や拡散方程式における進行波の安定性解析など)を開拓することができた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 俣野 博: "The global attractor of semilinear parbolic equations on S^1" Discrete and Continuous Dynamical Systems. 3. 1-24 (1997)
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[Publications] 俣野 博: "Dynamical structure of some nonlinear degenerate deffusion equations" J.Dynamics and Differential Equations. (発表予定).
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[Publications] 俣野 博: "Stability analysis in order-preserving systems in the presence of symmetry" Proc.Royal Soc.Edinburgh. (発表予定).
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[Publications] 三村 昌泰: "Singular perturbation problems to a combustion equation in very long cylindrical domains" Studies in Advanced Mathematics. 3. 75-84 (1997)
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[Publications] 三村 昌泰: "Hopf-bifurcation in a chemical reaction-deffusion system" Applied Mathematics Letter. (発表予定).
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[Publications] 舟木 直久: "Motion by mean curvature from the Ginzburg-Landau ∇ψ interface model" Commun.Math.Phys.185. 1-36 (1997)