1997 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロニウム・レーザースペクトロスコピーにおける電磁相互作用の精密検証
Project/Area Number |
09304034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
広瀬 立成 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70087162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 彰 住友重機, 量子技術研究所, 主席研究員
薮 博之 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60202371)
汲田 哲郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30271159)
千葉 雅美 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60128577)
五十子 満大 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60087004)
浜津 良輔 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (20087092)
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Keywords | ポジトロニウム / レーザー冷却 / Cr:LiSAFレーザー / ドップラーシフト |
Research Abstract |
1)ポジトロニウム生成システム:我々が都立大学に構築した偏極陽電子ビーム生成装置の改良を行った。ビームをバンチングするためのチョッパー・バンチャーシステムを製作し、電子銃からの電子ビーム(200eV)を用いて基礎実験を進め性能評価を行った。チョッパーではのビーム切りだしを実現し、それをバンチャーで2.8nsecに圧縮することができた。 2)レーザーシステム:ポジトロニウムとレーザービームの衝突を効率よく行うために、オルソポジトロニウムの寿命、140nsec以上のパルス幅をもつレーザーの開発が必要である。レーザーに対する要求は、波長243nm,パルス出力10μJ以上、ドップラーシフトによる1S→2S励起励起エネルギーの変化を補償するためのバンド幅50pm以上、繰り返し25Hzである。これらの条件を満たすためのレーザーとして、Cr:LiSAFレーザー発振器を開発し製作した。 3)ポジトロニウム・スペクトロスコピーの精度を向上させるためには、ドップラーシフトを極力抑制することが重要である。我々は、10meV程度の低いエネルギーを持つ熱脱離ポジトロニウムを生成し、それをさらにレーザーで冷却することを考えた。このため、低速ポジトロニウムのエネルギーを測定するための飛行時間測定装置および消滅ガンマ線測定装置を製作した。
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[Publications] T.Kumita 他: "Construction of Polorized Slow Position Beames" Applied Surface Science. 116. 1-6 (1997)
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[Publications] J.Yang 他: "Study on Spin Precession of Polarized Slow Positrons in Solids" Jpn.J.Appl.Phys.36. 3764-3769 (1997)
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[Publications] 広瀬立成 他: "偏極低速陽電子ビームの高品質化" 日本物理学会誌. 52. 764-772 (1997)