1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09304035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 敏男 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20107395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 信一郎 東京大学, 物性研究所, 助手 (40198122)
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Keywords | X線回折 / 表面 / 界面 / 磁性 / 構造解析 |
Research Abstract |
本年度は磁性薄膜試料を作製し、試料を大気中に取り出して放射光X線を用いた実験を行えるようにするとともに、薄膜試料の評価に適した解析方法の開発を行った。 具体的には、1)試料作製ホルダーを改良して、低温側、高温側ともに温度を一定に保てるように整備した。これまでの試料ホルダーは構造的に熱容量が大きく高温側、低温側ともに不十分であったが、試料付近をコンパクトにすることにより性能の向上を計った。2)銅、タングステンなどの単結晶試料をX線トポグラフィによりその結晶性を評価し、銅については基板結晶に使用可能かでることが分かった。3)超高真空中でシリコン(111)基板上に鉄を1原子層程度蒸着して加熱処理すると2x2構造が観測されることを見いだした。4)その上にシリコン1000原子層程度キャップした試料について、放射光X線を用いてX線定在波法の測定を行った。基板結晶のブラッグ角付近で鉄の蛍光X線収量の入射角依存性を測定すると、ブラッグ角の定角度側にピークをもつ成分があることが分かった。現在、鉄の2x2構造の化学的な原子配列について構造モデルを構築中である。5)この試料に磁場を加えてX線回折実験を行えるように、クライオスタット中に永久磁石による磁気回路を作製し測定の準備を進めている。6)薄膜結晶の化学的、磁気的構造を解析する上での新しい方法を開発している。1原子層からのX線の散乱振幅を任意の回折条件で計算できるようにした。さらに、基板結晶のブラッグ反射を利用してモデルフリーに薄膜の構造を決定できる方法も開発した。
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Research Products
(1 results)